のんびりと佇む一匹のわんこ。このわんこは今年の春、新しい生活をスタートさせたんです。 まだ肌寒い3月25日。 新潟空港に、京都から大阪を経由して飛行機に乗って来た一匹のわんこが降り立ちました。
名前は「黒子」。 「黒子」はトレーナーさんと一緒に京都の訓練所からやって来た生後9ヵ月のわんこです。
飛行機の次は車に揺られて移動。心配そうな表現の「黒子」。 走る事およそ1時間。やって来た所は新潟市の南に位置する新潟県五泉市の川東中学校。
車から降りた「黒子」が向かった先は校舎の2階にある職員室。 この職員室の奥に特別に作ってもらったスペースが「黒子」専用の部屋。
盛んに臭いをかぎながらようやく落ち着いた様子の「黒子」。実は、今日からこの学校で「黒子」の新しい生活が始まるんです。
この日、「黒子」は体育館に行ってトレーナーの先生と一緒にこれまでやって来たトレーニングの最終確認。 実は、「黒子」は生後4ヵ月の時、この学校で暮らす<学校犬>になるために京都の訓練所に行って、およそ5ヵ月間のトレーニングを積んできたんです。
翌日、「黒子」は生徒や先生、保護者として地域の人達が集まった体育館にいました。 今日は「黒子」がみんなに初めて会う日です。
正式に<学校犬>として認められた「黒子」。そして、なんと、五泉市の市長さんからは特別に住民票が交付されました。 「黒子」は五泉市の市民としても認められたんです。
早くも生徒達に大人気。あっという間に「黒子」のまわりには生徒達の輪が出来ました。 そんな「黒子」の世話をしたいと名乗りを上げたのが3年生の塚野くん。
春休みが終わり学校が始まると生徒達との新しい生活が始まります。 入学式当日、4月とはいえ雪が降る中、「黒子」は真新しい制服に身を包んだ新入生を出迎えていました。
「黒子」も緊張した面持ちで入学式の行われる体育館へ。 実は、今日は「黒子」の入学式でもあるんです。 新入生たちと一緒に「黒子」の学校での生活が始まります。
桜が満開になった4月24日。 「黒子」が学校に来てからおよそ1ヵ月。 ようやく学校での暮らしに馴れて来た「黒子」。
今日も朝早く職員室にやってくる「黒子」を担当している佐久間先生を待っています。 「黒子」の1日は佐久間先生に朝の挨拶をすることから始まります。 次々とやって来る先生達にも挨拶。
そして7:30になるとやってくるのが「黒子」の世話をしている3年生たち。 『黒子隊』と書かれたベストを着て朝の散歩へと出かけます。
当初は1人だった「黒子」の世話係は今ではなんと30人にもなりました。 世話をする生徒達は『黒子隊』呼ばれていて、毎日交代で「黒子」の面倒を見ているんです。
生徒達の授業が始まると、「黒子」は静かな職員室に戻ってひとりのんびりと過ごします。 全校生徒133名の川東中学校の3年生30名が面倒を見てくれているんです。
昼休み、「黒子」は学校が作ってくれたドッグランへやって来ました。 そう、昼休みはここで生徒達と思いっきり走り回って遊びます。「黒子」の姿を見つけると、次々と生徒達がやって来ます。
放課後の散歩も「黒子」の楽しみのひとつ。 小さな新入生「黒子」はこれからも生徒達と一緒に暮らし誰からも愛される存在としてみんなを見守って行こうと思っているのでした。