…八つ墓村…

■インタビュー■
田治見久弥・要蔵・庄左衛門(三役)
┗吹越満

□横溝正史原作の『八つ墓村』に御出演されての感想をお願いいたします。
■『八つ墓村』と聞いた時、ふと"どんな話だったかな?"と思いました。横溝先生の作品はたくさんあるので"助清が出てきたのは、あれっ?『犬神家の一族』だったよな?"とか考えていたら、スタッフから"ほら、頭に懐中電灯をつけているアレです"と言われて"あっ、そうか"と。『八つ墓村』には、そうしたビジュアル的な印象が強いですね。また、過去に映像化された時、出演されていたのは誰だったっけ? なんていうことも考えました。横溝先生の作品は、ストーリーよりもそういったイメージで覚えている作品が多いです。『八つ墓村』は、原作は読んでいないんですけど、今回の台本を改めて読んでみて、ああ、こういう話だったのかと思いました。"八つ墓村"という村は、ストーリーの中で実際に存在する村なんですね。いわゆる、こういうことがあったから、付近の住民が"八つ墓村"と呼び習わしているわけではなくて、"八つ墓村"という地名として登場する。それが、すごくインパクトがありました。

□『八つ墓村』のストーリーには、怨念、祟りといったものが登場しますが、吹越さん御自身は、そういったものをどうお考えですか?
■霊感というようなものは、僕自身にはありません。怨念や祟りも、もしかしたら世の中にあるのかもしれませんが、僕は一切感じないんですよね。ただ、実際に祟ったり、祟られたりというのはあると思います。"祟り"ではなくて、人が人を"祟る"だったり…怨念も、そういう言葉ではなく"怨念る"みたいな(笑)。そういう人の感情として、存在するんじゃないんでしょうか? 僕は、怖い話はダメなんで、なければない方がいいんですけど…。撮影中は、家に帰ると体に塩をまいていました。今回演じている役は、それだけ僕が怖いと感じているんです。怨念や祟りとは違いますけどね。

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