白線流し

★staff comment

美術デザイン・荒川淳彦
渉の部屋の撮影はカメラやスタッフでぎゅうぎゅうでした

「白線流し」に携わってから10年が経ちますが、その中で一番大変だったと印象に残っているのは連続ドラマの時の七倉病院のシーンです。外見は実際にある建物をお借りしたのですが、中はセット。当然、2階の園子の部屋もセットなのですが、園子が窓から天体望遠鏡を見るシーンは、窓から出ている天体望遠鏡の先だけ、室内(セット)、そして外から園子が天体望遠鏡をのぞいている部分の3回に分けて撮影が行われました。外からのシーンは小さな納屋のような場所に部屋と同じ大きさの窓を作って撮るのですが、部屋の奥が映る場合を考えて、園子の後ろで畳一畳分くらいの大きな壁を持ち、ずっと支えていたんです。それが大変でしたね。ほか、定時制に通っていた時期の渉の部屋も印象に残っています。渉の生活を考え、部屋の広さはなるべく小さい方がいいということで3畳、キッチンを入れても4畳半程度でした。本来、撮影を考えればもっと大きな部屋がいいんですが、カメラで映すと映像的にどうしても大きく見えてしまうこともあり、渉の苦労感を出すにはこれが精一杯の広さだったんです。当時は撮影用のカメラも大きいものしかなくて、撮影になると狭い中にカメラやらスタッフやらでぎゅうぎゅう。どうやって撮影するの!?って感じでした(笑)。

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