戦士の資格
キャストインタビュー

◆西島秀俊さん

ヤングシナリオ大賞は僕の勝手なイメージですが、登場人物も若いし、ストーリーも若めのドラマというイメージが強くて…でも今回は社会で既に働いて戦っている人たちの話なので、それがすごく新鮮に感じました。
きっとこの脚本家の方は実際に自分がそういう経験をした上で書いたんだなということが凄く伝わってきて、とても面白かったです。
不思議なことに悪い人がすごく輝いている台本で(笑)僕が演じた高木修一以外の登場人物でも何人かものすごく悪い人たちが出てくるんですが、その悪い人たちが何故かものすごく魅力的に描かれているし、ふとチャーミングだったりもしました。
実際撮影を進めていってもそこが思っているよりも膨らんでいくところで、僕自身は楽しんで冷血なパートは演じさせてもらいました(笑)気をつけてデリケートにやろうと思っていたんですが、そのことよりも現場で実際に白井(晃)さんやもたい(まさこ)さんをはじめとする共演者の方々と絡んでいくと楽しくなってきちゃって、皆さん演技の上手い方たちなんで演技の振り子が大きくなっちゃいました(笑)高木は決して根は悪い人ではないけどある状況の中、自分も追い詰められて切羽詰まっちゃって、どんどん悪い方向にいっちゃうんですね。気をつけて演じたというよりは自分が予想していた以上に悪いところはものすごく悪くなったり…。逆に大切なところに気づき始めていく高木も最初のイメージしていたものよりも切実さが撮影の中でどんどん生まれていって、それは個人的にはいい体験をさせてもらったと思います。このドラマは登場人物の一人一人が実際のお芝居の中でより生き生きとリアルに人間として感じられるドラマだと思います。高木は左遷されてから、呆然としている中で周りの人たちにいろんなことを気づかされるんですが、実際に僕も撮影の中で色々気づかさせてもらっています。きっと、高木の成長物語というのがこのドラマの一つの側面ですけど、もしかしたらこのお話は女性が仕事をしていく上でのいろんなぶち当たる壁であったりとかそれを突破していく大変さが、一番大きなテーマとしてあるのかもしれないです。出演者ですけど一視聴者として実際働いている女性がどういうことを感じ、どういう壁にぶつかっているのかということを今回この作品を通して勉強になりました。今、社会人として働いている人たちが日々感じていたりぶつかっていたりすることがそのまま高木だけじゃなく、同僚の女性や上役のキャラクターにも投影されているドラマだと思います。頑張って働いている人たちに「そうそう」って共感してもらったり、明日から頑張ろうって勇気を持ってもらえたらうれしいです。是非見てください。
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