なでしこ隊
- 秘密基地・知覧 -

鹿児島市から南西におよそ36キロ、薩摩半島の中央南部に位置する小さな町・知覧。
太平洋戦争末期―。
この町は陸軍特別攻撃隊の秘密基地として多くの特攻隊を出撃させ、439人もの若者が命を失いました。

1945年3月、本土防衛の砦・硫黄島が玉砕し、アメリカは次なる攻撃目標を沖縄に決定。
日本本土への上陸が目前に迫るなか、知覧飛行場が陸軍特攻作戦の最前線基地に選ばれました。
知覧は秘密基地とされ、その存在を隠すために様々な工夫が施されました。滑走路は、コンクリートの舗装ではなく、天然の芝生をそのまま利用。また、空襲対策として、兵舎や燃料庫は山の中に分散。さらに特攻機は、誘導路の脇に掘った穴に隠し、雑木を被せて偽装されていました。
知覧基地は徹底的に隠され、住民の多くが特攻基地であることを知らなかったと言われています。

知覧基地に着任した特攻隊員は、松林に隠された「三角兵舎」と呼ばれる宿舎で、出撃までの数日を過ごしました。
知覧は秘密基地であるため、出撃の日時と場所は、家族にさえ知らせることは許されませんでした。特攻隊員は、最愛の人たちに何も告げられぬまま、沖縄の海へと散っていったのです。

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