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「怪音寮」

宏美(金子)は、ずっと希望していた会社の女子寮に入寮できることになり、さっそく引っ越しをした。数日後の夜、宏美は、ドアを叩くような物音で目を覚ました。時計の針は深夜の2時過ぎをさしていた。宏美は、不審に思いながらドアを開けるが、そこには誰もいなかった。 あくる日の深夜、宏美は再び物音で目を覚ました。が、ドアの覗き窓から外を見ると、やはり誰もいなかった。すると、今度は、部屋の一角からまた同じ音が聞こえてきた。その音は、部屋の奥の壁から聞こえていた。翌日、宏美は、寮長の金井(ささい)に頼んで、音のしていた壁側の隣室を見せてもらった。が、その部屋の住人は、旅行に出かけていて来週まで帰ってこないのだという。
不気味さを感じながら宏美が食堂で夕食をとっていると、亜矢子(伊東)が近づいてきた。「あなたの住んでる203号室のことなんだけど…」と宏美に話しかける亜矢子。すると、まるでそのことを叱責するかのように、寮長が亜矢子を呼びつけた。宏美は結局、亜矢子の話を聞くことができず、漠然とした不安を感じていた。
それからも宏美は物音に悩まされていた。すでに限界だった。そんなある日、宏美の元に亜矢子がやってきた。亜矢子は、この部屋は、何人もの人が入寮と退寮を繰り返していること、また、そのことに関しては会社から口止めされていることなどを宏美に告げると、彼女にお札を手渡す。
宏美は、そのお札を壁に貼った。すると、その夜は深夜2時になっても物音は聞こえなかった。が、どうしても不安が解消されなかった宏美は、引っ越しを決意。急いで部屋を探すと、荷物の整理を始める。
その部屋で過ごす最後の夜、宏美が眠っていると、突然お札が剥がれ落ちた。目を覚まし、慌ててお札を拾う宏美。すると、壁から長い髪を垂らした女が、畳に爪を突き立てながらはい出てきた。宏美は、悲鳴を上げて気を失い…。

脚本…高木登・三宅隆太
演出…澤田鎌作

里中宏美(21)…金子さやか
田代亜矢子(24)…伊東美知枝
金井寮長(50)…ささいけい子
長い髪の女…永田真理
前川美枝

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