ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「前略、おとうさん」

直人(斎藤)は、小さなラーメン店を切り盛りする母・夏美(河合)とふたり暮し。2歳のときに父・光彦(神保)を亡くした直人には父の記憶がほとんどなかった。店の奥にある狭い部屋には、幼い直人を抱く光彦と夫に寄り添う夏美の写真が、幸せだったころの唯一の思い出であるかのように飾られていた。
クリスマスイブの日、厨房に立っていた夏美は、懐かしい匂いに気づく。そのとき、背後に何かの気配があったが、夏美が振り向くとそれは消えていた。
その夜、布団に入った直人は、部屋の隅に見知らぬ男が立っていることに気づく。その顔は、暗闇にまぎれてよくわからなかったが、ゆっくりとこちらに近づいていた。5つ数えれば消える、と思い、目をつぶって数を数える直人。しかし、男はそのまま直人の目と鼻の先まで近づいていた。するとその男は、恐怖に震えている直人の頭を優しく撫ぜると、そのまま姿を消した。
あくる朝、直人は、サンタさんからプレゼントがきた、と夏美に報告した。直人が手にしている包みは、夏美がこっそり置いたものだった。が、仕事をしながら直人の出来事を聞いていた夏美は、彼の言葉に手を止めた。直人は、懐かしい匂いを嗅いだというのだ。それは、光彦がよく吸っていたタバコの匂いだった。夏美は、涙ぐみながら、そのことを直人に話した。
この出来事がきっかけになり、夏美は一層仕事に精を出した。そして直人も、父親に見守られていることを信じて、勉強や野球に打ち込み…。

脚本/菅小百合 三宅隆太
演出/加藤裕将

大城直人(6)…斎藤隆成
大城夏美(38)…河合美智子
大城光彦(40)…神保悟史

もどる
セカンドシーズン
ほんとにあった怖い話 TOP
(C)フジテレビジョン