ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「憑かれた病院」

看護師・美也子(井上)が勤務する病院は、心霊現象に関するウワサがあとをたたなかった。あるとき美也子は、廊下の床に、黒いシミのようなものがあることに気づくが、さほど気にも留めなかった。
そんなある夜、美也子が担当してた患者のひとり、サチエ(安田)の容態が急変し、ほどなく息を引き取る。それから数日後、美也子は、外来入り口の自動ドアの外に、若い母親らしき女性と、彼女の腰に顔を押し付けるようにして立っている男の子の姿を見かける。が、自動ドアが反応しないのか、ドアは閉じたままだった。美也子が自動ドアの前まで歩み寄り、センサーを見上げると、ドアが開いた。が、すでにそこには親子の姿はなかった。
さらに数日後、美也子は、患者の繁子(松本)から、サチエの姿を見たという話を聞かされる。サチエは、怖い顔で繁子のことをじっと見つめているのだという。その夜、美也子が仕事をしてると、繁子のいる病室からナースコールが入った。美也子が駆けつけると、繁子は両手で首をかきむしるようにして苦しんでいた。繁子は、医師を呼びに行こうとする美也子の腕を掴み、声を振り絞るようにして「相田さんが…」と言うと、断末魔のごとき悲鳴を上げた。その後、繁子は、別の病院に移されたが、すぐに息を引き取ったという。しかし、何故か詳しい死因は明かされなかった。
別の日、美也子は、黒い影のように広がった床のシミを落とそうと、タワシでこすった。が、そのシミは、まったく落ちなかった。諦めて手を止めた美也子は、外来入り口のドアからぼんやりと外を眺めた。そのとき、背後の薄暗いロビーを、いつかの親子がよぎった。気配に気づき、振り返る美也子。しかし、もう親子の姿はなかった。
まもなく美也子は看護師を辞め、郷里に帰って結婚した。が、あの病院では、同僚や患者に不幸な出来事が続いたという。

脚本/玉城悟
演出/三宅隆太

佐野美也子(25)…井上和香
上野繁子(54)…松本じゅん
相田サチエ(72)…安田洋子
今井亮子(23)…藁科みき
黒ずんだ女…石井聡子
黒ずんだ男の子…大久保蒼

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