ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「別荘ニテ待ツモノ」

克志(永井)は、毎晩同じ夢に悩まされていた。古い木造の建物、4時前で止まった振り子時計、その建物の近くにある池、そして白いワンピースの少女――克志からその話を聞かされていた恋人のさやか(浅井)も、彼と電話で話している時、電話口で時計のような音や、女性の悲鳴を聞いており、克志の身に何か起こるのではないか、と不安を抱いていた。
さやかや友人たちと旅行に行く予定だった克志は、さやかの先輩で、強い霊感を持っている夕子(山下)に相談を持ちかけた。すでに克志は、旅行をやめるつもりで友人の亮一(田辺)の家に断りに行っていた。すると亮一は、ついさっきお前が来て必ず行くと言っていたのに、と不思議がっていたのだという。克志たちの話を聞いていた夕子は、旅行には行ったほうがいい、と助言する。その女性は、克志に何かを訴えたいのではないか、というのだ。が、さやかが同行を申し出ると、夕子はそれを止めた。
数日後、克志は、亮一たちと旅行に出発した。亮一たち男性陣は事情を知っていたが、同行したふたりの女性には克志のことは何も話していなかった。別荘に到着すると、それは克志の夢に出てきた建物と同じだった。さらに、室内には振り子時計があり、建物の裏手には池が…。克志たちは、恐怖心を抑えきれなかった。
その夜、克志たちは、深夜4時になるのを待っていた。そして時計の針が4時になろうとするとき、克志は、大部屋の入り口に白いワンピースを着た女が立っているのを目撃する。その女は、克志を手招きしていた。克志は、これ以上仲間を巻き込んではいけない、と思い、眠ってしまっている亮一たちを起こさずに、ひとりで彼女の後ろをついていく。
女の後をついていった克志は、建物を出て、あの池の前で足を止めた。女は、池の前に立ちつくし、克志を手招きしていた。その誘いに魅入られたようにゆっくりと女に近づく克志。そのとき、突然克志の携帯電話が鳴った。その音で我に返った克志が電話に出ると、さやかからだった。「先輩が、すぐそこから離れてって!」。克志は、興奮しながら叫ぶさやかの言葉の意味がわからなかった。が、何気なく足元に目をやると、克志は、いつの間にか池の中に入っており、下半身が水に浸かっていた。そして、白いワンピースの女が、水の中で蠢いていた。克志は、叫び声をあげ、慌てて岸に向かうが、思うように進めず、転倒してしまう。すると、すぐ後ろに女が…。
同じころ、別荘では、3時59分で止まっていた振り子時計が動き始め、4時を告げた。その音で目を覚ました亮一たちは、克志がいないことに気づく。別の日、克志は、さやかと夕子に会っていた。克志の胸には、爪で引っかいたような跡が残っていた…。

脚本/清水達也
演出/鶴田法男

有元克志(26)…永井大
川浦さやか(24)…浅井江理名
鈴木亮一(26)…田辺伸之助
増田夕子(36)…山下容莉枝

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