ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「さまよえる亡霊」

幹雄(窪塚)は、雑居ビルの地下にある大きなレストランでアルバイトをしていた。ある夏の夜のこと、幹雄と先輩の三村(石井)は、営業終了後の後片付けに追われていた。そのとき幹雄は、ホールを横切る人影に気づく。幹雄は、三村がトイレに入ろうとしているものと思い込んだが、その影は、何故かドアの前に立ち尽くしていた。さすがにようすがおかしいことに気づき、カウンターの方に目をやると、そこに三村の姿があった。その途端、トイレから水音が…。恐る恐る幹雄がトイレを覗き込むと、そこには誰もいなかったが、洗面所の蛇口から猛烈な勢いで水が出ていた。
その夜、仕事が終わらなかった幹雄と三村は終電に乗り遅れ、店に泊まるはめになってしまう。すると三村は、着替え終わるなり、コンビニに行くといって、ひとりで出て行ってしまう。残された幹雄は、不安な気持ちを隠せなかったが、仕事の疲れから、いつの間にか眠りこけていた。そのとき、どこからか音が聞こえ、やがてそれが轟音に変わった。目を覚ました幹雄は、音が反響してくる場所――天井の換気口から目が話せない。すると、その轟音に混じって、何者かのうめき声が聞こえてきた。やがて、その声は女性のものであることがわかり、うめき声ははっきりとした言葉に変わった。「うう…痛いよう…助けて…」。恐怖のあまり、戸口の方に後ずさる幹雄。そのとき、背後のドアをたたく音がして、突然ドアが開いた。とっさに飛び出した幹雄は、何かにぶつかった。三村だった。
その後、幹雄は、この近辺に地下鉄用に掘られたトンネルが迷路のように張り巡らされていることを知った。が、そこを走る地下鉄の路線は存在しないという…。

脚本/玉城悟
演出/澤田鎌作

山下幹雄(22)…窪塚俊介
三村和久(27)…石井康太(やるせなす)

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