ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「幽霊物件」

ひとり暮らしを始めるため、とある不動産屋を訪れた友哉(塚本)は、格安の物件を見つける。その物件は、なぜか家賃が何度もペンで修正されていたが、友哉は何の疑問も抱かず、その場で契約をしてしまう。
それから数日後、友哉は、恋人の小夜(村井)に手伝ってもらい、引っ越しをした。その際、ユニットバスの掃除をした小夜は、排水溝に長い髪の毛が詰まっていたこと、そして洗面台の裏に一枚の古びたお札が貼ってあることに気づき、気味の悪さを感じる。しかし友哉は、つい強がってそのお札を剥がし、破り捨ててしまい…。

夜、友哉は、閉めたはずの洗面所のドアがいつの間にか開いていることに気づく。友哉は、その隙間からこちらをのぞくような黒い闇に怯えるが、気のせいだと思い直し、ドアを閉めた。あくる日、友哉のアルバイト先に小夜がやってきた。あの部屋のことがどうしても気になっていたのだ。小夜は、霊感が強い自分の姉・香世(海島)に見てもらった方がいいと勧めた。しかし友哉はそれも拒否してしまう。
その夜、友哉は、小夜の申し出を断ってしまったことを後悔しながら眠りについた。すると、洗面所のドアが開く音が…。目を覚ました友哉が、音のした方を凝視すると、そこからぬっと女の足が現れた。姿をはっきりと見ることは出来なかったが、その女は洗面所のドアの前あたりでうごめいていた。その姿から目が離せずにいた友哉が恐怖のあまり声を上げると、女は一瞬動きを止め、友哉のいる方向に向き始め…。

あくる日、友哉の元に小夜と香世がやってきた。友哉の部屋を見て回った香世は、いますぐにでも引っ越したほうがいい、と友哉にアドバイスし、応急処置として、友哉が剥がしてしまったのと同じ場所にお札を貼った。
その夜、久しぶりに熟睡することが出来た友哉は、すっかり元気を取り戻していた。お札の効力のおかげか、香世たちが来て以来、異変は起こらなくなっていた。
そんなある夜、友哉は、真夜中に突然目を覚ます。香世のアドバイスどおり点けたままにしておいた室内灯が消えていることに気づき、あわてる友哉。すると、洗面所のドアが音を立てながら開いた。友哉は凍りつくが、あの女は姿を現さなかった。その時、ふいに部屋の電気が点いた。ホッと胸をなでおろし、仰向けに寝そべる友哉。その瞬間、友哉の顔を覗き込むように、影になった女の顔がぬっと現れた。友哉は気づいていなかったが、香世が貼ったお札はいつの間にか剥がれ落ちていた。
翌朝、友哉は逃げるようにその部屋を出た。後で聞いた話によれば、数年前、その部屋のユニットバスで、失恋を苦にした女性が手首を切って自殺したのだという。そしてあの部屋は、いまでも誰かに貸し継がれているという…。

脚本/高木登・三宅隆太
演出/星野和成

常石友哉(21)…塚本高史
柳沢小夜(21)…村井美樹
柳沢香世(27)…海島雪
この世のものならざる女…広江美奈
不動産屋店主(51)…田窪一世

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