ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「最期の別れ」

晴子(大島)は、夫の康夫(永井)とともに、青果店を営んでいた。ある夜、三島家に病院から電話が入った。長いこと入院生活を送っていた義父(伊藤)が、危篤状態に陥ったという知らせだった。康夫と長女の恵子(近野)は、すぐ病院へと向かった。ひとり残って店を閉めた晴子は、戸締まりなどをすると、病院へ向かおうとした。が、居間の蛍光灯を消そうとした途端、ふいに明かりが消えてしまう。晴子は、停電かと思い、うんざりしながら電気のブレーカーがある方向に向かうと、誰かが勝手口のドアを叩いた。「いま開けますから」と晴子が応えても、ドアを叩く音は止まない。晴子は、恐る恐るドアを開けるが、玄関先には誰もいない。怪訝に辺りを見回し、踵を返す晴子。その途端、晴子は息を飲んだ。居間に、こちらを向いて座っている老人がいたのだ。それは、義父(伊藤)だった。するとその老人は、畳に指をついて、ゆっくりと晴子に頭を下げた。次の瞬間、部屋の明かりがついた。義父の姿はすでになかった。その時、電話が鳴った。それは、義父の死を告げる、康夫からの電話だった。晴子は、涙をぬぐいながらそこに座ると、義父が正座していた場所に向かってゆっくりと礼をした。仏壇の2本のロウソクには何故か火がともっていた…。

脚本/玉城悟
演出/加藤裕将

三島晴子(43)…大島さと子
三島恵子(14)…近野成美
三島康夫(45)…永井文敏
義父…伊藤正美

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