ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「霊を招く波長」

霊の存在をまったく信じていなかった寺門ジモンは、引っ越したばかりの友人が部屋で幽霊を見たと聞き、面白半分で泊まりに行った。その夜、眠っていた寺門は、パラパラという物音に気づいて目を覚ました。それは、一冊の本が、風も吹いていないのに、勝手にページがめくられていく音だった。
それからしばらくして、実家の近くで薬剤師をしている兄(伊藤)が上京し、寺門の部屋に泊まることになった。寺門は、部屋の鍵をポストに入れ、勝手に入っていてくれ、と電話で伝えると、仕事に向かった。
その夜、仕事を終えた寺門が家に戻ろうとすると、兄から電話が入った。部屋でおかしなことがあったのだという。寺門は、兄に言われて、部屋ではなく、近所の喫茶店で会うことにする。
店に着いた寺門は、兄から事情を聞いた。寺門の部屋にいた兄が、テレビを点けたままうたた寝していると、突然、年老いた手が頬に触れたのだという。が、それは怖いというより、優しい感じだったらしい。兄の話を聞いていた寺門は、それは他界した祖母なのではないかと思い当たった。聞けば、兄は上京する前日にも墓参りをしてきたのだという。部屋に戻ったふたりは、揃って手を合わせた。
あくる日、寺門と兄がマンション近くの道を歩いていると、前方から、長い髪をダラリと垂らした着物姿の女(佐藤)がこちらに向かって歩いてきた。まるで幽霊のような姿とその動きに、「ザ・ユーレイだよ、あれじゃ」とつい笑ってしまう寺門。が、ふたりがその女とすれ違う瞬間、女は「どうしてわかった?」と寺門に向かっていい…。
脚本/三宅隆太
演出/鶴田法男

寺門ジモン…寺門ジモン
兄…伊藤正之
友人…ノンキー山崎
着物の女…佐藤ルル

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