ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「夜のおじさん」

引越しを終えたばかりの森は、新居でひとりワインを飲んでいた。瓶が空になっていることに気づいた森は、千鳥足で外に酒を買いに出た。すると、1階の管理人室の前で、ひとりの老人(山谷)から声をかけられた。どうやらマンションの管理人のようだった。森は、その老人に地図を書いてもらい、近くの酒屋さんを教えてもらう。
あくる朝、森が管理人室をのぞくと、そこにいたのは知代(北条)だった。森は、あの人は夜だけ管理人をしているのだろう、と理解する。
それからというもの、森は毎晩のように管理人室を訪ね、老人と酒を飲んだ。老人は、森が歌手だと知らなかったようだが、彼女自身、そんなことは気にも留めず、楽しい時間を過ごしていた。
そんなある日、森の部屋に遊びに来ていた友人の弓枝(麻生)が、話を聞いてその老人に会いたいと言い出した。森は、先日老人と一緒に撮った写真を持って、弓枝とともに管理人室を訪ねたが、彼は不在だった。
それ以後も老人の姿を見かけないことに不審を抱いた森は、昼間の管理人・知代を訪ね、写真を渡して欲しい、と頼んだ。すると知代は、その老人は森と同じ部屋に住んでいたが交通事故で亡くなった、と言い出す。
その夜、森がなかなか寝付けないでいると、あの老人が現れた。老人は、森にだけは知られたくなかった、と寂しそうに笑うと、「楽しかったよ」と言い残して消えてしまう。それ以来、あの老人が姿を現すことはなかったという。

脚本/三宅隆太
演出/鶴田法男

森公美子…森公美子

おじさん…山谷初男
河村知代…北条文栄
牧野弓枝…麻生侑里

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