ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「廻る足音」

いまから5年ほど前のこと、功(筧)は、息子の剛(松田)とふたりでキャンプに出かけた。行楽客のいない沢を探し当て、そこにキャンプを張る功たち。ところがその夜、奇妙なことが起こる。
功が眠りにつこうとすると、何者かがテントの周りを遠巻きにしながら歩き回っているような、砂利を踏み鳴らす音が聞こえてきたのだ。が、功がテントから顔を出すと、そこには誰もおらず、明かりすら見えなかった。
しばらくすると、さっきより近くでまた足音が聞こえてきた。怒った功は、今度は懐中電灯を手にテントから出るが、辺りを見回しても周囲には人影すらなかった。が、功がテントに戻ろうとすると、背後で足音が…。慌ててテントに飛び込んだ功は、剛の異変に気づいた。剛は、額に脂汗を浮かべ、苦しそうにうなされていたのだ。功は、剛を起こそうとしたが、目覚めなかった。その間にも、あの足音はどんどん近づき、ついにテントの入り口で止まった。功は、剛を守るように抱きしめ、「やめてくれ…もうわかったから…帰ってくれ」と念じるようにつぶやいた…。
あくる朝早く、功は、急いで帰り支度をする。剛は、昨夜のことを何も覚えていないようだった。麓のガソリンスタンドで聞いた話では、その場所で以前、女性の水死体があがったのだという。昨夜、テントの外にいたのがその女性だとしたら、そしてもしその姿を見てしまっていたら…功は、恐怖のあまり、それを剛に話すことは出来なかった。

脚本/玉城悟
演出/三宅隆太

佐藤功…筧利夫

佐藤剛…松田昂大

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セカンドシーズン
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