ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-

「オバケじゃないもん」

いまから数年前のこと、生放送のラジオ番組をやっていた笑福亭笑瓶は、そこで奇妙な体験をする。その番組は、普段はゲストを呼んでトークをしたり、リクエストされた音楽を紹介していたが、その日のテーマは心霊特集。それも、ハガキを紹介するだけでなく、リスナーが心霊体験をした場所にリポーターのミキ(坂口)を行かせて、現地から生中継するという趣向だった。
最初に奇妙な体験をしたのは、笑瓶自身だった。「ミキちゃんには、のちほど心霊スポットからたっぷり生中継してもらいましょう」というパーソナリティーの武井(大塚)の言葉に続けて、「ミキちゃんもかわいそうにな。こんな夜中にオバケの相手しなきゃならないなんて」と笑瓶が言うと、イヤホンから「オバケじゃないもん」という少女の声が聞こえてきたのだ。が、その声を聞いたのは笑瓶だけ。武井は、中継現場にいるミキの声ではないか、というが、そのときはまだ現場とはマイクが繋がっていなかった。
笑瓶は、自分の勘違いかもしれない、と思いながら、番組を続けた。紹介したのは、興味本位で心霊スポットに遊びに行った帰り、中学生の女の子の幽霊を乗せた、という恐怖体験だった。すると、一緒にスタジオブースにいた構成作家・金子(戌井)のようすがおかしくなった。CMに入っても金子の具合はよくならなかったため、笑瓶は、とりあえず武井とふたりだけで番組を続けた。
そして、いよいよミキがいる現場との中継時間になった。そのとき、流れていた音楽に交じって木魚の音が聞こえてきた。そして、不気味な呻き声が…。笑瓶と武井は、慌ててブースを飛び出した。
放送終了後、笑瓶たちは、オンエアの同録テープを聴いた。すると笑瓶が聞いた「オバケじゃないもん」という声や、木魚の音、不気味な呻き声が録音されていた。実はこのスタジオでは、これまでにも放送中に怪現象が起きていたのだという。

脚本/三宅隆太
演出/鶴田法男

笑福亭笑瓶…笑福亭笑瓶

武井(パーソナリティー)…大塚和彦
森本(ディレクター)…奥村勲
金子(構成作家)…戌井昭人
ミキ(タレントリポーター)…坂口理香

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