ストーリー
* 第10話 *

芦屋瑞稀(前田敦子)は、脚立から落ち、意識を失ってしまう。そんな瑞稀を介抱した際、遂に真実を知ってしまった中津秀一(三浦翔平)は動揺を隠せなかった。

難波南(桐山漣)、天王寺恵(満島真之介)、オスカー・M・姫島(徳山秀典)の3寮長は、樹さくら(若村麻由美)ら理事長たちに呼び出され、桜咲学園に女子がひとり紛れ込んでいるというウワサについて、その真偽を問われる。寮内でもそのウワサは一気に広まり、まるで犯人捜しのような空気に、瑞稀は生きた心地がしなかった。そもそもウワサの発端は、体育館の倉庫で女子が着替えていた、という目撃談だったため、3寮長は体育館の裏口で張り込みをする。その時、裏口から出てきたのは、瑞稀だった。

部屋に戻った瑞稀は3寮長から事情を聴かれ、女子であることを白状する。そして、自分が一番苦しんでいた時に心の支えになってくれた佐野泉(中村蒼)の力になりたくて、桜咲学園にもぐり込んだことも打ち明ける。その様子を部屋の外で聞いていた佐野は、自分も知っていて黙っていたから同罪だ、と割って入る。

寮の食堂では、誰が女子なのか、というウワサでもちきりだった。寮生たちは中央千里(西井幸人)や門真将太郎(岡山智樹)など、女子っぽい生徒に次々と疑いをかける。やがてその矛先は瑞稀にも向けられた。中津は、機転をきかせて瑞稀を救った。

その夜、瑞稀は、3寮長を訪ね、いまから皆に真実を告白すると告げる。難波らは、桜咲学園が好きだからこそ皆とキチンと向き合いたい、という瑞稀の気持ちを支持した。
同じころ、寮内では、ウワサの真相を確かめようと各部屋の荷物検査を始める者たちが現れ、トラブルに発展していた。そこに戻ってきた瑞稀は、皆に真実を打ち明けた。寮生たちは、騙された、裏切られたという思いから、不満をあらわにしてその場を立ち去り…。

瑞稀を守れなかった中津は落ち込んでいた。瑞稀が女性であることに以前から気づいていた萱島大樹(柳下大)は、何かが変わるわけではないのだから、前を向いていればいい、と助言した。
瑞稀は、大会直前の大事な時期に騒ぎを起こしてしまったことを佐野に詫びた。佐野は、そんな瑞稀に、記録のためではなく、学園のため、瑞稀のために跳ぶことを誓った。

陸上大会当日の朝。寮生たちは、すでに佐野の応援をする気力もなくしていた。そこで怒りを爆発させたのは中央だった。中央は、桜咲学園はこの程度のことでバラバラになってしまうような学校なのか、と訴えたが…。

陸上大会が始まった。桃郷学院の神楽坂真言(佐藤祐基)は、順調に記録を伸ばしていた。一方、佐野は、ずっとパスを続けていた。佐野の応援に来たのは、中津、萱島、中央だけだった。そこにやってきた瑞稀は、グラウンドの佐野に向かって精一杯の声援を送った。そんな瑞稀に続く、中津たち。その思いを受け止めて競技に臨んだ佐野は、見事なジャンプを見せ、大会新記録を叩きだす。
中津たちは、スタンドにやってきた佐野を取り囲んで祝福した。するとそこに、桃郷学院長の樹桃雄(奥田達士)が現れる。「君だね。男子と偽って学園に入ってきた生徒は…」。桃雄からそう問われた瑞稀は、覚悟を決めた表情で「はい」と答え…。

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