ストーリー
* 第7話 *

芦屋瑞稀(前田敦子)は桜咲学園を去る決意をしていた。そんな中、陸上競技の地方代表選考会が行われる。ハイジャンプの予選に出場した佐野泉(中村蒼)は、2度失敗したものの、3回目のジャンプを決める。固唾を飲んで佐野のジャンプを見守っていた中津秀一(三浦翔平)や関目京悟(山田親太朗)たちは大喜びだ。

佐野が試合から戻ると、部屋には瑞稀の姿はなく、荷物もなくなっていた。そして、ベッドの上には真新しいシューズが。そこへ中津がやってきた。瑞稀がいなくなったことを知った中津は、後を追いかけようとした。それを制したのは萱島大樹(柳下大)だ。萱島は、大きな騒ぎにしてしまったら瑞稀が戻りづらくなる、と中津に告げ…。

桜咲学園廃校まで、残された時間はあと1ヵ月しかなかった。寮生たちは、理事長の樹桜彦(石丸謙二郎)から転入先の希望を提出するよう命じられる。難波南(桐山漣)、オスカー・M・姫島(徳山秀典)、天王寺恵(満島真之介)らが学園を存続させるために何かいい手はないかと考えていると、食堂に飾ってあった創始者の額から、学園の歴史を記した書物が落ちてくる。そこには、戦後、同じように学園が潰れかけた時、ある催しを開いて寄付を募り危機を乗り越えた、とあった。それは3年に一度開かれ、120年もの伝統がある桜咲学園と聖ブロッサム女学院の合同ダンスパーティーだった。

あくる日、瑞稀は、難波伊緒(山本未來)に連れられて寮に戻った。寮を出た瑞稀は、伊緒に頼ろうとしていた。伊緒は、そんな瑞稀に、自分の気持ちに嘘をつかないでキチンとけじめをつけろ、と告げて連れてきたのだ。佐野と中津は、瑞稀を迎え入れ…。

同じころ、パリから聖ブロッサム女学院の生徒会長・花屋敷ひばり(岩佐真悠子)が帰国する。ダンスパーティーが開催されるかどうか、確認するための帰国だった。このダンスパーティーは、女子がパートナーとなる男子を見つけ、申し込まれた男子は断れない、という決まりになっていた。
ひばりは、男女の数を調整するため、中央千里(西井幸人)、放出光太(栗原吾郎)、京終山水(宝海大空)、河内森尚(上遠野太洸)、そして瑞稀に、女子パートを踊るよう命じる。

難波と姫島は、聖ブロッサム女学院長の樹さくら(若村麻由美)ら理事会にダンスパーティーの開催を報告した。天王寺だけは参加を拒否し、尼崎カンナ(市川美織)からのパートナーの申し込みも断ってしまう。
瑞稀たちは、桜咲学園OBへ送る招待状の作成や、衣装の準備などを開始する。そこにやってきた中津は、ルールを無視して、瑞稀に「俺と踊ってほしい」と申し込む。一方、佐野は、岸里樹理(柏木由紀)からダンスパートナーを申し込まれる。それもあって、瑞稀と佐野は、お互いに素直に話すことができず…。

ダンスパーティー当日、会場には桜咲学園長の桜彦、桃郷学院長の樹桃雄(奥田達士)とともに、OBたちが集まった。

ダンスが始まった。瑞稀は、樹理と踊る佐野の姿をつい目で追っていた。佐野もまた、そんな瑞稀を気にしていた。そこで騒ぎが起きた。嫉妬した樹理が、意図的に飲み物係を転ばせたため、瑞稀やOBたちがジュースをかぶってしまったのだ。白けた会場の雰囲気を救ったのは、オスカーとひばりの見事なダンスだった。
瑞稀と佐野のぎこちない関係を気にしていた中津は、ふたりが話せるよう仕向ける。そこで、瑞稀と佐野は互いに謝った。佐野は、戻ってきたのは嫌じゃなかった、と瑞稀に告げた。瑞稀も、今度こそ学園のことも佐野のことも最後まで見届ける、と返す。
樹理の行動に気づいていたひばりは、正々堂々と勝負するよう諭した。そこに天王寺がやってきた。天王寺は、会場の片隅にいたカンナにダンスを申し込み、一緒に踊った。

アップテンポの曲が流れ、盛り上がる生徒たち。それを見た桃雄は、OBたちを引き連れて立ち去ろうとした。難波とオスカーは、彼らを引き留め、守るべき伝統とは、クラシックな音楽とダンスのことではなく、学園を卒業する者と新しく来る者の繰り返しの中で、絶えることなく生み出される笑顔ではないか、と訴えた。「この仲間と笑顔を終わらせたくない。未来につなげたいんです」。難波はそう続けた。桃雄は、その訴えを無視して、何人かのOBたちと去っていく。だが、桜彦と残りのOBたちは会場に残り…。

パーティーが終わり、瑞稀と佐野は自室に戻った。佐野は、着替えようとした瑞稀の腕をつかむと、音楽プレーヤーのイヤホンの片方を瑞稀に渡し、もう一方を自分が聴けるようにして、彼女に手を差し出す。佐野の手を取り、踊りだす瑞稀。そのとき、瑞稀たちの部屋の前を通りかかった中津は、ダンスをしているふたりの姿を見てしまい…。

もどる
花ざかりの君たちへ TOP

(C)フジテレビジョン