ストーリー
* 第4話 *

桜咲学園も夏休みに突入した。芦屋瑞稀(前田敦子)は、再びハイジャンプの練習に取り組み始めた佐野泉(中村蒼)のことが気になり、カリフォルニアの実家に戻らず寮で夏休みを過ごそうと考える。だが、当の佐野は、毎年祖父のところに行くらしい。一方、瑞稀が寮に残ることを知った中津秀一(三浦翔平)は、帰省を止めて、サッカーの自主合宿をすると言い出す。

夏休みの間、寮生たちは食堂で雑魚寝することになった。というのも、夏休みの間は、食堂しかエアコンが入っていないからだった。各寮の場所取り合戦が繰り広げられる中、瑞稀も部屋の片隅に場所を確保した。佐野は、そんな瑞稀のことを心配し、寮に残ることを決意する。

その夜、瑞稀たちが就寝の準備をしていると、ふいに怪しい物音やすすり泣くような声が聞こえ、次の瞬間、部屋の電気やテレビも消えてしまう。怯える一同に追い打ちをかけるように、第二次大戦の末期、空襲で命を落とした寮生がいたという話を始める難波南(桐山漣)。単なる停電だと思われたが、霊感少年の萱島大樹(柳下大)だけは、ひとりあらぬ方向を見つめていた。

あくる朝、練習に向かう中津の前に、菜吾八高校の2年生だという少女・今池こまり(荒井萌)が現れる。こまりは、いきなり中津のことが好きだと切り出すと、メールアドレスを書いた紙を渡して走り去る。普段から瑞稀のことばかり考えてしまい、思い悩んでいた中津は、自分を変えるためにこまりとの交際を決意する。

同じころ、ハイジャンプの練習を開始したものの、思うようなジャンプができずにいらついていた佐野は、連日練習を見守っていた瑞稀に、集中したいからしばらくこないでほしい、と当たってしまう。落ち込む瑞稀に声をかけたのは萱島だった。萱島は、面倒なことが起きると分かっていても飛び込んでいける無謀さは君の才能だ、と瑞稀に告げた。

そんな折、練習中の佐野が倒れるという騒動が起きる。瑞稀は、中津らとともに佐野を部屋まで運び、看病の準備を始めた。佐野は、そんな瑞稀に、アメリカに帰れ、と告げる。「ハイジャンは俺の夢だ…お前のじゃない」。佐野の言葉に、ショックを受ける瑞稀。そのやりとりを聞いていた中津は…。

その夜、寮生たちは、またもや謎の物音に襲われ、目を覚ます。萱島が誰もいない食糧庫で話をしているところを目撃し、彼が何かを呼んだのではないかと疑っていた八戸ノ里伸広(宮島楠人)や百舌鳥康(笠井しげ)は、彼に非難の目を向けた。萱島は、それを無視して食糧庫へと向かった。そこで皆が目にしたのは、裕次郎の姿だった。夜中になると聞こえていた奇妙な音の正体は、裕次郎が食べ物を漁っている音だった。それを知った八戸ノ里や百舌鳥は、萱島は霊が見えると言って皆の気を引こうとしたのでは、と言い出す。すると萱島は、八戸ノ里と百舌鳥に、本人以外は知らないはずの話を始め、その不思議な力を証明してみせる。八戸ノ里たちは、萱島の力を認めて頭を下げた。

皆が去った後、萱島は、霊がたくさん集まり過ぎて電気系統に異常が出たことを瑞稀だけに告げ、食堂の片隅で供養をする。そこで萱島は、いまのように他人と関わることができるようになったのは中津のおかげであることを瑞稀に打ち明けた。中津は、自分の能力を隠していた萱島に、「お前が本当の自分を隠したら、俺は永久に本当のお前に会えない」と言ったのだという。と、次の瞬間、寮内の電源が復活した。大喜びでエアコンに群がる寮生たち。その際、萱島は、本当はどうしたいのか、と中津に尋ねた。

あくる朝、瑞稀は、佐野のもとへおかゆを届ける。瑞稀は、目を覚ました佐野に、自分の未来は自分で見つけるが、いまは佐野が跳ぶ姿を見たい、と告げる。佐野も、瑞稀の思いを受け止め…。

中津は、好きな相手がいることを正直にこまりに打ち明ける。中津の思いを知ったこまりは、彼に右手を差し出し、握手して別れた。

佐野は、これまでよりバーの高さを下げて練習を再開した。そこにやってきた神楽坂真言(佐藤祐基)は、そんな高さで俺に追いつけるか、と佐野を挑発した。すると佐野は、「ここからだ。1ヵ月後、吠え面かくなよ」と返し…。

瑞稀は、佐野たちとともに寮に戻った。すると、中津がいつになく真剣な表情で瑞稀の前にやってきて、いきなり「お前のことが好きだ」と告白する。瑞稀はもちろん、寮生たちも驚きの声を上げ…。

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