ストーリー
* 第3話 *

芦屋瑞稀(前田敦子)は、粕漬けを食べて酔ってしまった佐野泉(中村蒼)からキスをされ、動揺していた。それを知った中津秀一(三浦翔平)や中央千里(西井幸人)らは、口々に、自分も佐野からキスされたことがある、と言い出す。実は佐野は、少しでもアルコールが入っているものを食べたりすると、酔ってキス魔になってしまうらしい。しかも当の佐野は、キスしたことをまったく覚えていないのだという。その話を聞いた瑞稀は、これがファーストキスだったこともあり、さらに落ち込んでしまう。

桜咲学園の各寮生は、学園祭2日目の運動競技会に向けて、くじ引きで出場競技を決める。その結果、瑞稀、佐野、中津は騎馬戦に出場することになった。さらに、瑞稀と中津は、寮長の難波南(桐山漣)、関目京悟(山田親太朗)、野江伸二(鈴木勝大)らとともに、第2寮の代表として大会のハイライトである2000メートルリレーにも出場することになってしまう。この2000メートルリレーは、各寮の代表者5名が、400メートルを全力で走り切るという過酷なリレー競技だった。学園祭初日のイベントでは最下位だった第2寮の面々は、俊足の瑞稀と中津が選ばれたことで大いに盛り上がっていた。

佐野のもとに、桃郷学院の神楽坂真言(佐藤祐基)がやってきた。神楽坂は、佐野に陸上競技会のチラシを見せ、この大会で決着をつけようと告げる。佐野はそれを拒否した。瑞稀と中津は、そんな佐野が気がかりだったが、彼自身が本気になるのを待つしかない、と考えていた。

一方、難波は、中学時代の家庭教師で、元恋人でもある田辺可南子(酒井彩名)と再会する。可南子のことを本気で愛していた難波は、中学校を卒業したら彼女と暮らそうと決意していた。だが、難波の将来を心配した可南子は、何も告げずに彼の前から姿を消してしまったのだ。可南子が再び姿を見せたのは、結婚することを難波に伝えるためだった。瑞稀とともにふたりの会話を偶然聞いてしまった中央は、ショックを受けて走り去った。

騎馬戦が始まった。瑞稀たちは健闘したが、天王寺恵(満島真之介)チームとの一騎打ちに敗れ、転倒する。その際、中津は、瑞稀を庇って足を負傷してしまう。

そんな中、野江たちはこの学園祭が理事会の審査に使われていることを知る。桜咲学園長・樹桜彦(石丸謙二郎)、桃郷学院長・樹桃雄(奥田達士)、そして聖ブロッサム女学院長・樹さくら(若村麻由美)の3人が、学園祭で勝った寮の生徒たちを全員桃郷学院に転入させる、などと話しているのを、岸里樹理(柏木由紀)たちが聞いてしまったのだ。事情を知った各寮の生徒たちの間で、動揺が広がった。理事会に踊らされていたことに反発する者、桃郷学院への転入は悪いことではないと考える者もいた。そこで声を上げたのは、中津と瑞稀だった。途中で諦めて投げ出してしまったらきっと後悔する―そんな瑞稀の言葉に、難波が、天王寺が、オスカー・M・姫島(徳山秀典)が賛同し、各寮の生徒たちも同調した。

グラウンドに戻った桜咲学園の生徒たちは、いかなる意図にも左右されずに正々堂々と戦う、と理事会に向かって自分たちの決意を伝え、最終競技である2000メートルリレーに臨んだ。
中津は、負傷を押してリレーに出場すると言い張った。それを制して、出場を申し出たのは佐野だった。

リレーが始まった。トップを競り合う第1寮と第2寮。第3寮も、本名を呼んでオスカーを怒らせるという作戦で、遅れを取り戻す。途中、第2寮は、バトンの受け渡しに失敗し、最下位に落ちた。野江からバトンを受け取った瑞稀は、持ち前の俊足を発揮して2位に上がり、最終走者の佐野につないだ。佐野は、トップを走る第1寮・守口博人(小谷昌太郎)に迫る激走を見せたが僅差で届かなかった。

佐野は、勝てなかった責任を感じ、うなだれた。が、瑞稀を始めとする第2寮の面々は、佐野の走りに興奮し、大騒ぎしていた。 夕方、第2寮の面々は食堂で打ち上げをする。買いだしに行くといって抜けだした難波は、フラワーショップに立ち寄り、可南子に贈るブーケを注文する。

あくる朝、瑞稀が目を覚ますと、佐野の姿がなかった。するとそこに、裕次郎がやってきて瑞稀をグラウンドまで引っ張って行く。そこで瑞稀が目にしたのは、再びハイジャンプの練習に取り組み始めた佐野の姿だった。

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