ストーリー
* 第2話 *

芦屋瑞稀(前田敦子)は、佐野泉(中村蒼)を訪ねて女子高生の山科理香(岩田さゆり)がやってきたことを知る。佐野と理香が話しているところを、野江伸二(鈴木勝大)や桂真史(松島庄汰)と一緒に盗み見た瑞稀は、何故か胸のざわめきを感じていた。一方、佐野は、瑞稀が実は女性ではないかと疑い始めていたが、確かめることができずにいた。
同じころ、桜咲学園の生徒たちは、中止予定だった学園祭が開催されることになり、大いに盛り上がっていた。学園祭は2日間に渡って開催され、1日目は文科系イベント、2日目は運動競技が行われることになっていた。しかも、そのすべてが点数制になっており、寮対抗で競い合うのだ。第2寮の寮長・難波南(桐山漣)は、各寮の代表2名が美を競う初日のメインイベント、ミスコンテストに瑞稀を出場させることにする。が、ミスコンの代表に選ばれた途端、瑞稀は、何者かから嫌がらせを受けるようになってしまう。
第2寮のメンバーは、さっそく学園祭に出店する冥途喫茶の準備を開始した。そこでも中津秀一(三浦翔平)は、瑞稀のことを妙に意識してしまい、思い悩んでいた。

そんな折、瑞稀は、急に佐野から犬の裕次郎の散歩を頼まれる。裕次郎を連れて寮を出ようとした瑞稀は、理香に呼び止められる。そこで瑞稀は、彼女が佐野と同じ中学校の出身で、陸上部のマネージャーだったことを知る。そして、佐野がハイジャンプを止めてしまったのは、車にひかれそうになった理香をかばってケガをしたせいだということも。瑞稀は、理香から電話番号を書いた紙を手渡される。だが、瑞稀は、それを佐野に渡せずにいた。

第123回桜咲学園祭が開幕した。天王寺恵(満島真之介)率いる第1寮の出し物はお化け屋敷、第3寮の出し物はオスカー・M・姫島(徳山秀典)主演のミュージカルだ。学園祭には、神楽坂真言(佐藤祐基)ら桃郷学院の面々や、岸里樹理(柏木由紀)率いる聖ブロッサム女学院の生徒たちの姿もあった。
ミスコン用のセーラー服を何者かに汚されてしまった瑞稀は洗濯場にいた。その帰り、佐野と理香が会っているのを目撃し、ふたりの話を聞いてしまう瑞稀。佐野は、迷惑だからもう来るな、と冷たく理香に言い放って寮に戻った。
瑞稀は、理香に声をかけた。理香は、グラウンドを離れてこんなところでグズグズしているなんて佐野らしくないという。それに対して瑞稀は、ハイジャンをやらなくても佐野は佐野だと返した。佐野のことをわかっているならあんな風に追いつめたりしない、という瑞稀の言葉にカッとなった理香は、彼女の頬を平手打ちして去っていく。佐野は、寮の入り口で、そんなふたりのやり取りを聞いていた。

食堂で佐野に会った瑞稀は、キチンと理香に説明するべきだと忠告する。瑞稀の言葉をさえぎって、「お前、俺の何なんだ? 俺の気持ち、知りもしないで…」と返す佐野。そこに中津もやってきた。そこで佐野は、ケガは治ったが試合に復帰するのが怖くなったからハイジャンを止めたんだ、とその苦しい胸中を明かし…。
トイレの個室に入って自己嫌悪に陥っていた瑞稀は、突然、何者かに水をかけられる。グラウンドに出て服を乾かしていた瑞稀のもとにやってきたのは、校医の梅田北斗(斎藤工)だった。瑞稀は、佐野と出会ったときのことを梅田に打ち明けた。瑞稀は、親友に裏切られ、クラス中からつまはじきにされ苦しんでいたとき、陸上の日米交流戦でアメリカにきていた佐野に出会った。試合前日、グラウンドの下見にきた佐野は、屋上にたたずんでいた瑞稀が自殺するのではないか勘違いし、声をかけたのだ。「俺は自分を信じて跳ぶ。信じなきゃ未来は開けないからな」。そんな佐野の言葉と、彼の美しいジャンプに心を動かされた瑞稀は、もう一度自分を信じてみようと思ったのだという。梅田と話しているうちに、そのときの気持ちを思いだした瑞稀は、佐野がもう一度、自分を信じる力を取り戻すまではアメリカに帰らない、と決意する。

そのころ、第1寮の北花田剛(前田公輝)、武庫之荘アンドリュー(安藤龍)、帯解和希(金井成大)は、ミスコンに出場する門真将太郎(岡山和樹)を勝たせるために、瑞稀をどこかに閉じ込めておこうと画策する。だが、彼らが連れ去ったのは、瑞稀ではなく理香だった。
中津や萱島大樹(柳下大)らは、瑞稀の姿が見えないことに気づき、捜索を始める。しかし瑞稀はどこにもいなかった。そのとき、萱島が中央千里(西井幸人)の心を読んだ。耐えられなくなった中央は、瑞稀に嫌がらせをしていたことを告白した。中津は、中央を締めあげたが、瑞稀の行方は知らないという。そのようすを見ていた門真は、瑞稀を閉じ込めたことを白状し…。

中津たちは、佐野と合流し、瑞稀を助けに行く。するとその途中で、何故かチャイナ服を持って走ってきた瑞稀と出くわす佐野たち。瑞稀の代わりに理香が捕まってしまったことを知った一同は、乱闘の末、無事に彼女を救出する。北花田たちは、天王寺に最初で最後の優勝をプレゼントしたいという思いからこの計画を立てたらしい。騒動の責任を痛感した天王寺は、北花田らとともに皆に土下座して謝罪した。

ミスコン会場では、中央に続いて、瑞稀の名前がコールされた。ところが、そこに現れたのはチャイナドレスに身を包んだ佐野だった。何でもいいから佐野と一緒にやりたい、と思った瑞稀が発案したのだ。客席にいた中津は、手拍子を要求して皆をあおった。袖にいた瑞稀たちもステージに飛び出し、佐野の舞台は大いに盛り上がった。

学園祭初日は、ミスコンで勝ったオスカーの第3寮がトップ、第2寮は最下位だった。その夜、第2寮の面々は、佐野と瑞稀の部屋で打ち上げをする。そこで、粕漬けを食べて酔っぱらってしまう佐野。飲み物を買って戻ってきた瑞稀は、中庭でぐったりしている佐野に声をかけた。すると佐野は、本当のことを言え、と呟きながら瑞稀に迫り、いきなりキスをする―。

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