ストーリー
* 第1話 *

カリフォルニア帰りの帰国子女・芦屋瑞稀(前田敦子)は、女の子であることを隠して全寮制の男子校・桜咲学園に編入する。その目的は、同校2年のハイジャンプ選手・佐野泉(中村蒼)に会うためだった。佐野は、将来を嘱望されていたハイジャンプの選手だったが、軸足のケガが原因で跳ぶことを諦めていた。それを知った瑞稀は、かつて自分の運命を変えてくれた佐野に、どうしてもう一度跳んでもらいたいと強く願っていたのだ。
3ヵ月後に廃校が決まっているとも知らずに桜咲学園にやってきた瑞稀は、そこで佐野の親友でもある明るくて純粋なサッカー少年・中津秀一(三浦翔平)、陸上部部長の関目京悟(山田親太朗)、人のオーラが見えるという霊感少年の萱島大樹(柳下大)、顔が命の美少年・中央千里(西井幸人)、漫画アニメ研究会会長の野江伸二(鈴木勝大)らと出会う。彼らは皆、瑞稀と同じ2年生のクラスメイトだ。

この桜咲学園には3つの寮があった。第1寮は、空手部主将の天王寺恵(満島真之介)寮長率いる運動系、第3寮は、演劇部部長のオスカー・M・姫島こと姫島正夫(徳山秀典)寮長率いる芸術系、そして第2寮は、学内一のプレーボーイと評判の難波南(桐山漣)寮長率いる混合系だった。佐野や中津らも所属する第2寮に入った瑞稀は、なんと佐野と同室になってしまう。

そんな折、瑞稀は、佐野のライバルだったハイジャン選手・神楽坂真言(佐藤祐基)がいる桃郷学院と、桜咲学園との間で長年行われてきた合同球技大会が、ことしは中止になったことを知る。瑞稀は、中津や難波らに協力を仰ぎ、合同球技大会を実現させようと動き出した。何とか天王寺とオスカーの説得に成功した瑞稀たちは、さっそく桃郷学院サイドに交渉に行く。そこで神楽坂は、桃郷学院が勝ったら佐野をもらう、という条件を出し、合同球技大会の開催を了承する。

合同球技大会当日、聖ブロッサム女学院の岸里樹理(柏木由紀)たちが見守る中、初戦のバスケットボールは桃郷学院が、2戦目のサッカーは中津とオスカーの活躍で桜咲学園がそれぞれ勝利する。最後の競技は、瑞稀や難波が出場する野球だった。
ろくにルールも知らない瑞稀は、チームのお荷物だった。が、瑞稀は、それでも諦めなかった。試合は、7対4で桃郷学園がリードしたまま、最終回を迎えた。観客席から佐野が見守る中、9回裏ツーアウト満塁のチャンスで打席に入った瑞稀は、振り逃げで出塁、相手の連続エラーによってそのまま本塁に突入する。が、ホームベース直前でカバーに入った相手ピッチャー・神楽坂のラフプレーで吹き飛ばされ、意識を失ってしまう。このプレーに怒った中津たちが乱入し、グラウンドは騒然となった。そんな中、佐野は、瑞稀を抱きかかえて保険医の梅田北斗(斎藤工)のもとへと連れて行く。

野球が無効試合になったため、合同球技大会の勝敗はつかなかった。しかし、天王寺やオスカーは、こんな結果になったのは第2寮の責任だと難波を責めた。難波は、意識を取り戻して戻ってきた瑞稀をかばい、天王寺たちに頭を下げて詫びた。が、2寮の生徒たちもすっかり白け、瑞稀に対して冷たい視線を向けていた。

放送室で物思いにふけっていた難波のもとを訪れた瑞稀は、今回の件を詫びた。すると難波は、学園での思い出話を始め、その当時の感覚を思い出すことができて楽しかった、と返す。瑞稀が誤ってスイッチに触れてしまい、難波の話は学校中に流れていた。
あくる朝、瑞稀は、廊下に開いた穴や、詰まった水道管の修理を始める。「あと3ヵ月、みんなで過ごす学園だろ! 俺、最後の最後までこの学園にいたいからさ」。そんな瑞稀の言葉に、佐野や中津、萱島らは次々と作業を手伝い始めた。修理を終え、水道管のバルブを開くと、校内の至るところで水しぶきが上がった。びしょ濡れになりながらはしゃぐ瑞稀たち。そのとき佐野は、瑞稀のワイシャツから下着が透けていることに気づき…。

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