ブザー・ビート
<Story 11>

直輝(山下智久)は、オーケストラのバイオリニストになるチャンスを諦めようとしていた莉子(北川景子)に、最後まで夢を追ってほしい、と助言する。莉子は、音楽財団の理事長・八尾(升毅)に認められ、軽井沢で活動するオーケストラに誘われていたが、直輝と離れたくないという思いからその話を断ろうとしていた。直輝の思いを受け止めた莉子は、軽井沢に行くことを決意し、別れが辛くなるからもう会わない、と彼に告げてその場を後にした。

それから1週間後。直輝は、チームメイトの秀治(溝端淳平)から、莉子が明日軽井沢に出発することを教えられる。一方、莉子は、音楽だけに集中するために携帯電話も解約していた。親友の麻衣(貫地谷しほり)は、そんな莉子の行動に驚きながらも、寂しさを隠せない。

最後のアルバイトを終えた莉子は、世話になった書店の店長・小牧祐介(川端竜太)に挨拶をする。するとそこに、祐介の妻・雪乃(ちすん)がやってきた。その際、雪乃は、莉子が以前、駅ビルで演奏していた女性であることに気づき、弟が演奏者にヒマワリを渡そうとしたが渡せなかった、と話しだす。その話を聞いて、直輝くんらしい、と笑う祐介に、莉子たちは驚く。そのおかげで、あのとき小学生からもらったヒマワリが、実は直輝からのものだったことを知った莉子は、直輝と話したいという思いを必死に抑えて、改めて真剣に音楽に取り組むことを決意する。

出発の朝、莉子は、公園の大きな看板に直輝からのメッセージが書かれていることに気づく。涙を浮かべながら、その看板を見つめる莉子。出発前、莉子は、看板の写真をデジカメで撮り、軽井沢へと向かった。

そんな中、PBAの2009年シーズンが開幕する。JCアークスのヘッドコーチ・川崎(伊藤英明)は、宇都宮透(永井大)、代々木廉(金子ノブアキ)、守口修斗(青木崇高)、佐賀弘明(石田剛規)らをコートに送り出した。そのころ直輝は、完全復活を目指してひとりリハビリを続けていた。

半年後。アークスは、復活した直輝の活躍で快進撃を続け、プレーオフ進出を果たす。一方、先輩の東京公演を手伝うため、久しぶりに上京した莉子は、秀治と一緒に歩いていた直輝の姿を目撃する。だが、直輝たちはバスに乗り込んでしまったため、会うことはできなかった。

代々木体育館のそばで偶然、川崎と再会した莉子は、軽井沢に行ったおかげで改めてバイオリンを好きになったことや直輝への思いを口にする。川崎は、そんな莉子に、ブザービートの話をして、最後まで諦めなければきっと道は残されている、と告げると、直輝はいまでも莉子のことを思っている、と付け加えた。

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