ブザー・ビート
<Story 10>

直輝(山下智久)は、莉子(北川景子)のために生花店で一輪のヒマワリを買い求め、彼女のアパートへと急いでいた。

そのころ莉子は、出張先のボストンから1日早く帰国し、約束どおり、真っ先にアパートまで訪ねてきた川崎(伊藤英明)と一緒だった。莉子は、川崎にもらった指輪を返すと、直輝のことが好きだと告げた。莉子の気持ちを知り、幸せならそれでいい、と理解を示す川崎。しかし、直輝とケンカし、バイオリニストになるという夢も諦めようとしていた莉子は、幸せだと答えながらも、涙をこらえることができない。川崎は、そんな莉子を優しく抱きしめた。

直輝が莉子のアパートに到着すると、彼女の部屋からちょうど川崎が出てくる。アパートの隣にある公園で直輝と対峙した川崎は、莉子が泣いていたことを話し、お前に彼女を守れるとは思えない、と言い放った。

そんな川崎に、莉子と一緒にいれば強くなれる、彼女と一緒に夢を追い続けたい、と訴える直輝。川崎は、ふっとため息をもらすと、莉子にも同じことを言われたと苦笑し、身を引く代わりに強くなったところをバスケでちゃんと見せてくれ、と直輝に言い残して去っていく。

あくる日、直輝たちアークスの面々は、復帰した川崎の指導の下、練習を開始する。ところがその最中、直輝は、足首に激痛が走り、倒れてしまう。病院に運び込まれた直輝は、医師から手術を受けるよう勧められる。しかし直輝は、手術を受けたら開幕戦に間に合わない、といって拒絶する。そのとき、直輝の意志を無視して、一刻も早く手術の日程を決めてほしい、と医師に申し出たのは、病院まで付添ってきた菜月(相武紗季)だった。菜月は、試合中に同じことが起きたらチームに迷惑がかかる、と説得し、直輝に手術を同意させた。

一方、莉子は、須賀川淳(岡本光太郎)という男から電話をもらい、東都音楽財団の事務室に呼び出される。するとそこに現れたのは、会員制のバーでバイオリンを弾いていた莉子に対し、厳しい言葉を浴びせた男・八尾隆介(升毅)だった。この音楽財団で理事長を務めている八尾は、ある演奏会でバイオリニストに欠員が出たことを伝え、明日からの1週間をくれないか、と莉子に申し出る。莉子の努力次第で、1週間後の演奏会に起用してもいいというのだ。大喜びでその話を受けた莉子は、さっそく直輝に報告した。

直輝は、手術を前に、焦りや苛立ちを隠せなかった。真希子(真矢みき)は、直輝のようすを心配して、復帰したら応援に行くといって励ました。

その夜、練習の合間を縫って直輝とデートした莉子は、田舎に帰ろうと思っていたことを告白する。「お母さんに、もう夢諦めて帰ってきたら、って言われちゃって…もう限界かな、って。でも、いまはもうちょっと頑張ってみようかと思っている」と莉子。直輝は、そんな莉子に、チャンスがある限り頑張るべきだ、と言葉をかけた。

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