短期集中連載
児玉清のひとり言
-きよしあをによし-

第一回「玉木宏さん」

みなさん、こんにちは。児玉清です。この度、こちらのホームページで連載をやらせていただくことになりました。ドラマ『鹿男あをによし』に関するさまざまなエピソードを、僕なりにお話ししていきたいと思います。どうぞ、よろしく。

さて、第1回は玉木宏さんについてです。玉木さんとは、フジテレビのドラマ『ラストクリスマス』(04年)、『トップキャスター』(06年)でご一緒したことがあり、そのときは多少お話しした程度でしたが、たくましくてエネルギッシュな若者という印象がありました。
ところが今回会ってビックリしたのは、その印象が変わっていたこと。すっきりといいますか、とてもスリムになっている。実際、「ずい分お痩せになったけど、大丈夫?」なんてファンの声もあるようですけど、どうも彼はセンシティブな小川先生になるために、肉体からつくっていってるようなんです。肉を食べないとか、食事制限もしているみたいです。なぜならば、鹿は肉を食べませんからね。

今回は、一緒になるシーンも多いので折に触れていろいろな話をしていますが、とにかく彼は、人に何かを押し付けることのない人ですね。普通はだいたい、相手に「こう思ってほしい」という要求をもつものでしょう。でも、彼にはそれがない。相手をそのまま受け入れるっていうのかな、引っかかることがないから、いつでも話がスムーズなんです。気持ちが穏やかなのか、自惚れではない自信があるからなのかもしれないですけど、自分の欠点なんかも、サラッと言える人でね。人からどう思われているかを気にしたり、変なこだわりがないんでしょうね。僕はこの年になってもいろいろとこだわりがあるのに、それが、彼は自然とできている。若くてあそこまで自然体でいられる人に、久しぶりに会いしましたね。

彼は、俳優のほかにも音楽をやったり、写真やイラストなんかにも才能があるんでしょう。そんなことも、まったくひけらかさないですね。こちらが聞けば、きちんと話してくれますけど。どんな人でも自己顕示欲はあって当然で、ましてスターなんだから、それが見えても周囲は誰も不愉快に思いませんよね。にもかかわらず、玉木さんからは一切そういうものが漂ってこない。それでいて、スターとしての存在感はちゃんともっている。決して、褒め言葉で申し上
げるわけじゃないんだけど、いやぁ、不思議に稀有なさわやかさを生まれながらにもっている人です。僕は彼が俳優になるまでの経歴を知りませんが、どんな環境で育ったのかとても興味があります。
俳優としてはもちろん、人間としても、彼がこれからどんな人になっていくのか、見ていきたいと密かに思っています。

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