ありふれた奇跡
インタビュー

Q.四郎にとって家族とは?

社会の中で人と人の一番小さな結びつきが家族で、四郎には過去があるだけにとても大切なものです。ただ、家族とは輪郭はあっても実態がないものなのかもしれないなと僕は思うんです。かつてのように3世代が一緒に暮らしている家族も少なくなっているし、田崎家や中城家は一緒に暮らしていてもそれぞれが言えないことを抱えていたりする。四郎だって、翔太の異変に気づきながらも踏み込んで理由を問いただすことはできないでいる。もちろん一枚岩のようにガッチリしている家族もいるでしょうが、実はほとんどが、いくらキチッとおにぎりを作ろうとしてもどこかほぐれてしまうようなもろい部分があると思うんです。家族といっても1人1人はみんな先の見えない中で迷いながら生きている、そういう人の集まりですからね。

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