新証言!三億円事件
- 取材日記3 -

『執念の記録「斉藤ノート」』

再び斉藤さんの自宅を訪問した日、見せて頂いたのが実際の捜査記録、4冊のノートだった。

まさに斉藤さんが捜査に当たった6年間の記録。1冊目の最初のページには、事件発生当日に書き記した生々しい言葉の数々が並んでいる。
歩きながら書くからなのか、その殆どが走り書きで、簡略化された文字が多い。

ノートには、見えないホシと闘った捜査員の執念がしっかりと刻まれていた。
そして、斉藤さんの捜査ノートは、番組で重要な役割を担うことになる。

『八兵衛語録』

中村梅雀さん演じる昭和の名刑事・平塚八兵衛。
帝銀事件、小平事件、下山事件、吉展ちゃん事件…
昭和という時代に起きた数々の大事件に携わった八兵衛さんが残した言葉がある。晩年の八兵衛さんと親交の深かった比留間英一さん(元警視庁記者クラブ担当)がその一部を教えてくれた。

"星でホシはとれない"
「星は階級章のこと。それでホシ、つまり犯人は捕まえられないと。学歴とか偉いからとかで事件は解決できないと、彼よく言ってたよ」

"悔い改めれば五分と五分"
「被害者のことを思い犯人を地獄の果てまで追い続ける八兵衛さんだけど、彼は自供した人間に対しては優しい人だった。
罪を悔いた人間に何が悪いことがある、それで十分じゃないかと。
犯人も生い立ちとか色々な巡り合わせがあって犯罪に到達するんだと…」

比留間さんは最後にこう話してくれた。
「人生で忘れられない人ってのがいるとしたら、私にとって八兵衛さんはその一人です」

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