新証言!三億円事件
- 取材日記1 -

― プロローグ ―
『元刑事との出会い』

三億円事件発生当時、極秘捜査に当たった元警視庁捜査一課・斉藤勲さん(75)に、この謎の多い歴史的事件の真相をどうしても聞きたく、雨のなか自宅を訪問した。
長い時間を掛け取材交渉を進めた末、ついに斉藤さんは重い口を開き「わかった。全部話すよ…。」
これが全ての始まりだった。

『事件はここで起きた』

東京都郊外の街・府中市、府中刑務所脇。
40年前、ここで確かに三億円事件は起きた。

スタッフも取材の過程で何度もこの犯行現場に足を運んだ。この日はちょうど事件の日と同じように前の晩から雨が降っていた。
刑務所の壁の色や周りの建物こそ変わったものの、逃走経路などの道は今も残っている。
何より驚いたのは、三億円事件の近所の方々の記憶が、あまりにも鮮明だったこと。どの方も当時の様子を生々しく語ってくれた。
40年経った今も…。

『あの日、私は見た!』

犯行現場のすぐ近くに住む主婦(75)は40年前のあの日のことを今もはっきりと覚えていた。

「あの日の朝はすごい雨だったのよ。幼稚園に子供を送ってやれやれって家に戻る途中でさ、前からすごい勢いで真っ黒い車が走ってきたの。もうびっくりして、咄嗟によけたんだけど、見事に頭から泥かけられて。買ったばかりのレインコートだったのよ。わざわざ新宿の伊勢丹まで行って買ってきた新品よ。頭きちゃって、警察に通報したくらいよ、クリーニング代請求しようと思ってね。それがまさか三億円事件の犯人だったなんて後から知ってね…もう二度びっくりよ」
この主婦の目撃証言は、後に犯人の逃走経路を確定する重要なものとなった。
このような取材を通して、"それぞれの三億円事件がある"ということを改めて感じた。

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