ラヴソング Every Monday 9 pm on-air

近くもないけど、そこまで遠くもない…笹と神代たちは微妙な距離感があると思います。

2016.6.2.Tue Update Interview #5 笹 裕司役 宇崎 竜童さん

ここまで『ラヴソング』の撮影に参加してこられて、いかがでしたか?
オファーをいただいた時に、プロデューサーや監督から“髪型などのスタイルは宇崎さんのままで”と言われたんです。なので、笹という人物についてはあまり考えず、自分は与えられた台詞、与えられた動きを、監督に言われるままに、OKが出るまで演じれば良いのかな?  と、いう心構えで撮影に入ったんです。そうしたら、人の話を聞きながらグラスを拭くとか、水割りを作るとかという動きが多くて…。
宇崎さんご自身もライブハウスをお持ちですよね?
ええ。そうなんですけど、僕は厨房に入ったこと…カウンターの向こう側で作業したことが、今までに全くないんです。ですから、初めて接客と言うか、マスターとしての仕事を、笹を通してなるほど…と。もう、20年近くライヴハウスをやっているのに、僕自身の経験は全く役に立ちませんでした(笑)。
ギターも弾かれていました。
第1話ですね。ギターを弾きながら神代(福山雅治)と話をするシーンがありました。あれも大変でした。台詞の合間に、何気なくコードをつま弾く程度なら良いのですが…。西谷監督に“つま弾くと言うのは、ポロンと音を出す程度?  それともテンポを持った曲のような方が良いですか?”と聞いたら、“テンポのある方が良いですね”と言われたんです。聞かなきゃよかったって思いましたよ(笑)。テンポあるギターをつま弾きながら、それとは関係のないテンポで台詞をしゃべると言うのは、頭の中を上手く分けないと出来ません。しかも、僕は2つのことを同時にやるのは苦手なんです。

『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』は台詞のような歌詞でしたが…。
確かに。でも、みなさんに聞いていただくために作った曲と、台詞では大違いでした。『港のヨーコ~』は、リズムに乗りながら台詞のような歌詞をテンポにノリ喋るんです。でも、ドラマの台詞はテンポと関係なしに“もっと早くしゃべってください”とか“流れるようにしゃべってください”と、言われるんです。本当に大変なことになっちゃいました(笑)。1話がそうだったので、先が思いやられるな…と、思ったんですけど、その後はなかったのでホッとしました。
新たな挑戦をされたのですね?
はい。ギターもボトルネックを使って弾きましたからね(笑)。40年以上音楽に携わってきたのに、ボトルネックも初めて使いました。本当にやったことがないので、撮影1週間前から音楽インストラクターの先生に習いましたよ。台詞はねぇ…。今回は、そんなに台詞が多くはないんです。最近、いろいろなインタビューで“僕、3行以上の台詞は、なかなか覚えられないんですよね”みたいな防衛線を張っているので、それをスタッフの誰かが読んで下さったのかな?  と、思いました(笑)。それは良いんですけど、周りがたくさんの台詞をしゃべっている中、ポッと僕が台詞を入れるのも難しいんです。そういう芝居もあまりやったことがないので、苦労しました。
笹のライブハウス『S』の雰囲気はいかがですか?
いいですよね。あんなに豪華で設備の整ったライブハウスのわりには、お客さんのキャパが少ないんです。とっても贅沢ですよ。有名なライブハウスだと、一度に100~200人は入れないと経営していけませんからね。『S』は50人ぐらいじゃないかな?  僕が実際にやっているライブハウスも45人で一杯一杯なんです。でも『S』ほど舞台も広くないので、丁度良いぐらい。なので、笹はよくやっていけてるよなぁって思います(笑)。
そんな視点などから見て、改めて笹はどのような人物だと思いますか?
わりと物の解った、酸いも甘いも経験してきている男だと思いますよ。今回の登場人物では、年齢も一番高い方ですからね。夏希(水野美紀)の両親も出て来たんですけど、あのお二人を除いたら僕が出演者最年長です(笑)。そんな笹になるんですけど(笑)、頼りになるっていうより、ちょっと肩を押してもらったりするのに丁度良い不良性と社会性と人間性を兼ね備えている。まあ、かなり半端なヤツとも言えるかもしれませんけど(笑)。でも、若いみんながほんの少しリスペクト出来る人物でしょうか。

笹は説教じみたことは言いません。
実は台本で1か所、笹が“○○しろよ”と諭すようなセリフがあったんです。でも、神代やさくら(藤原さくら)たちの私生活に深くかかわらない、ライブハウスの1マスターとして接してきているので、指図するような言い方を笹はしないだろうと思って。そこだけ、台詞を“○○した方がイイんじゃないか?”という感じに代えさせてもらいました。近くもないけど、そこまで遠くもない…笹と神代たちには微妙な距離感があると思います。どちらにしても、笹は大したオッサンじゃないですよ(笑)。
福山さん、藤原さんとお芝居されてみて、いかがですか?
みんなすごいですよ。台詞をきちんと自分のキャラクターに変換していきます。例えば、福山さんなら、広平はこんな言い方をするかな?  と、いうのをリハーサルから入れてきます。僕は台本に書かれている台詞をそのまま言おうと思うんだけど、福山さんから変換された台詞を投げられると、中々言えなくなるんです。僕も自然に言い回しが変わります。そうすると、僕は本番で迷っちゃうんですよ。あれ?  リハーサルはどうしたっけ?  って慌ててしまうんです(笑)。福山さんだけではなく、みんな役になりきるので、毎回、すごいなぁと思っています。そして、変換はするけど完璧に台詞を覚えていて、決して間違えません。僕はねぇ…その中で演じていると、自分の不甲斐なさばかりを感じてしまいます。だけど、福山さんが“本番が出来てるので大丈夫です”と、慰めてくれるので、そうかなぁ?  と。それで、ここまでやってこれました(笑)。
藤原さくらさんはいかがですか?
すごいね。芝居するのは初めてなんですよね?  しかも、ハンデキャップを抱えたキャラクターです。よく出来るなぁ…と、感心しています。僕、実は初ドラマ出演が、佐野さくらと似たハンデキャップを持った役だったんです。NHKの『阿修羅のごとく』だったんですけど、脚本の向田邦子さんと和田勉さんが、新人の僕が失敗しても良いように与えて下さったハンディキャップだったんです。藤原さくらちゃんは僕とは違いますよ。見事に演じ切っています。楽屋のさくらちゃんは、全く壁がない人です(笑)。あんなに大らかで、物おじしなくて、芝居も出来て…とても素敵ですよ。
最後に、視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。
ここに来て、いろいろと問題が出ているんですけど…。僕も5話ぐらいに、福山さんに“最後どうなるの?”って聞いたんですけど、“う、うーん”とかトボけられちゃって(笑)。知っていたのかなぁ?  撮影は最終回の撮影に入っています。ですので、最後は…僕も台本をいただいて知ったんですけど、言わねェよ!(笑)。でも、きっとみなさんも“ヘェ、そうなんだ!”と、納得して貰える結末なので、ぜひ最終回まで楽しみにして観ていて下さいね!