――北条さんの感じる薗田はどのような人物ですか?
炎で例えるならば赤い炎ではなく、ジワジワと静かに濃く燃える青い炎のような人ですね。本当は芯が強く正義感を持っている人だけど、中学時代にいじめられていた過去がトラウマとなってなかなか踏み出せないでいたんです。でも、これからはその強さと進化していく姿をお見せできると思います。
――演じるにあたり意識していることや気をつけていることは?
薗田はとても無口で無表情なので、感情をいかに表現するかはすごく悩みました。本当に無表情だと何も感じていないように思われてしまうし、かといって大げさにしてしまうと薗田ではなくなってしまう。ちょっとした表情の違いや目だけで思っていることを伝えなくてはいけないのはすごく難しく、監督とも何度も相談しながら自分なりに頑張りました。話数が進むにつれ僕自身も薗田という人物を理解してきて、すいぶん演じやすくなりましたね。
――クラスで起こっているいじめを薗田はどう思っていたのでしょう?
5話でいじめについての作文を書かされて、薗田が書いたのは「いじめられている人がいても僕は何もできない。臆病で弱いから」でした。まさにそれが正直な気持ちだったと思います。自分の経験からいじめがどれほどつらく苦しいかを誰よりも知っているから許せない気持ちがあるのに、同時に知っているからこそ怖くて何もできないでいる自分がみじめで情けない。黙って見ていたことは薗田にとってもつらく、自分との戦いだったんです。やっと自分の殻を破る決心がついたんだと思います。
――それが5話で、歩をトイレに連れ込もうとする愛海たちを止めた行動ですね。殻を破るきっかけは何だったと思いますか?
一番のきっかけは歩の園芸日報の「ひまわりが咲いた」の一文ですね。一度は踏み倒された向日葵を懸命に世話してちゃんと花を咲かせた歩の姿勢と「自分で動かなきゃ何も変えられない」の言葉が、自分に被害が回ってくることを恐れて見て見ぬふりを続けてきた自分の胸に響いたんだと思います。歩に自分のような思いをさせてはいけない、自分の負けちゃいけないという気持ちが強く湧き出てきて体が動いたんです。
――過酷になっていくいじめを見て、北条さん自身はどう思いますか?
お芝居とわかっていても見ているのも、黙っているのもとてもつらいです。この作品や役に自分が馴染んできてるので、より感情移入してしまってとにかく早く助けてあげたいと思っていました。目の前で繰り広げられるいじめを見ながら“薗田、早く立ち上がれ!”って心で叫んでましたね。
――自分だったら薗田のように止められると思いますか。
はっきりといじめとわかる行動があれば、絶対に止めます。何も言わず見過ごすことはできません。実際、高校時代に同じ部活のクラスメートがいじめられているのを見て止めたことがありますが、やっぱり見過ごすことの方が僕にとってはつらいことだったんです。あそこで見過ごしていたらきっと後悔していたと思うし、その思いをずっと抱えていくよりははっきりと言った方が自分もすっきりしますから。
――実際の現場の雰囲気はいかがですか?
和気あいあいとしてて楽しいです。特に女性陣は、演技ではどうしても気持ちが落ち込むことが多いのでその分オフは楽しそうに話していますね。女子が集まって話していると中には入りづらいので、僕はその姿を見ながらホッとしてます(笑)。
――現場で女子にからかわれてるというか、いじられている(?)姿を見かけたことがあります(笑)。
今の時代、なんといっても女性が強いですから(笑)。数少ない男としては気付かぬうちにいじられ役になっているのかもしれません。それも楽しんでます。
――では、薗田の今後のみどころを教えてください!
歩を助けたことで愛海たちのいじめの対象に加わることもありますが、一度立ち上がった薗田の強さと勇気を見て欲しいです。薗田を通して、見ている人に立ち上がることの大切さや勇気を伝えられればいいなと思っています。これからの薗田の行動はしっかりと見てください。
――無表情だった薗田ですが、今後は笑顔も見られそうですね!
そうですね。薗田だけじゃなく歩や未来も、今までの分を取り戻すくらいたくさんの笑顔がこぼれるような展開になっていくよう頑張ります!