インタビュー

『世にも奇妙な物語』について

27年ということで歴史ある作品ですよね。すごい長寿番組だなぁて素直に思います。深夜番組として始まって、その後、人気番組になって。私は1991年に初めて参加させていただきまして、その後、1994年の七夕の特別編に再登場させていただきました。

「一本足りない」を読んだ感想は?

私が最初に読んだ時には無かったアクロバティックな場面が足されて、最終的に大きく変わったのですが、時代と共に“世にも奇妙な”部分が変わってきているなぁという印象を持ちました。何と戦うか、その戦い方という部分も変わってきているな、と。そういうことに時代を感じます。

怖いお話ですよね?

怖いと思います。“世にも奇妙”だけど、一瞬リアルがかすめるみたいなところがあって、激しい思考の中、シュッとリアルが重なるのがちょっと怖いな、と。
内容もちょっと複雑で、リアルなのか妄想なのか混乱する部分があると思いますが、ドラマを見ている方も、まさにその混乱する恐怖を主人公と同じように味わえる作品です。自分も演じながら混乱しないよう気をつけています。

完璧主義の主人公について

“何かを守りたい”とか“大切にしたい”という思いは皆さん持っている普通のことなんですが、度を超えることもあるのでしょう。私自身、“こうしたい”という理想みたいなものはあって、でも“そうはいかないのよね”と納得せざるを得ない年齢なのでちょっとずつ諦めるようになってきましたけど…。ですから、諦められなかったり、自分の意志を通さずにいられなかったりするこの主人公は、幼児のまま大きくなってしまった、ある意味ピュアな方だな、と思います。
本来ならば、どこかで挫折なり、押さえつけられるなりして、ちょっとずつ諦めることを覚えていくと思うのですが、幸か不幸か、彼女は今まで全部守れてきてしまったのでしょう。だから、“私はできる”とか“こんなにやっている”という思いが強くて、そこから“なのに、なんであなた達は…”と人のせいになってしまったのだと思います。この役をやるからには、彼女なりのリアリティーを持っていないといけないので、そういう風に捉えています。

視聴者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

久々の『世にも奇妙』となりますが、『世にも奇妙』を見てきた同年代の方に楽しみにしていてもらいたいですし、あまり見てこなかった新しく見る方でも楽しめる内容だと思います。なにせ『世にも奇妙な物語』ですから、リアリティーとは異なる別の世界を存分に味わっていただけたらと思います。