インタビュー

松重豊さん

「クイズのおっさん」を演じられてみたご感想をうかがえますでしょうか。

「奇妙」ならではのお話ながら、石川監督とも話して“おっさん”にどういう人生があってこういう仕事しているのか、ということを想像して見ていただく、ということが僕自身おもしろいなと思いました。
リストラされ家族も失って路頭に迷ってる“おっさん”が『あなた1年間クイズの景品として生活しませんか』と言われたような人がもしかしたらこの世の中いるかもしれないという仮定の上で、気をつけたのはファンタジーの人ではなくてリアルな“おっさん”がこの仕事をしているということをやろうと思いました。

クイズを出題者と解答する側という関係性は?

クイズを出す、出されるという関係の中で少しずつ愛情と言いますか、関係が芽生え、それが1年間限定だということがいろんな意味で残酷なんです。おじさんをリアルに描くことで人間同士の物語をおもしろく表現できたら、と思いました。

高橋さんとの共演はいかがでしたか?

高橋くんとは『怪奇大家族』(テレビ東京2004年)という深夜のSFファンタジーなどでご一緒して。
もう、若手というジャンルではないところにさしかかってきているのでしょう。それだけ人間の厚みを増してきていて、今回の、翻弄される側、いわば視聴者の代弁者といったところをリアルに演じていらっしゃる。10年周期くらいでお会いして、すごくいい俳優さんになられたなと思いました。

11年ぶりのご出演になりますが、『世にも奇妙な物語』の魅力とはどんなところにあると思われますか。

1クールなどでじっくり見せるドラマというのはつじつまや整合性を追いかけていってしまいがちですが、物語とかドラマのおもしろさというのはそれだけじゃないと思います。『奇妙』で扱うようなぶっとんだ話というのがドラマの原点だと思うので、こういう作品は大事におつきあいしていきたいなと思います。

視聴者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

普段ドラマを見ない人でも、ちょっと30分かじってみていただき、テレビドラマ、というものをここからもう一回見始めてみていただけたらいかがなものでしょうか。

高橋一生さん

今回のクイズのおっさんの台本を読まれてどんな感想を持たれましたか。

今回の「奇妙」な話し、というのが突拍子もないな話しではなく監督ともお話しましたが現実とシームレスにつながっているような、現実に突然、非現実的な方が現れたら現実的な人たち、てどうなるんだろう、という不思議なコントラストがおもしろいと思いました。

実際にここまで「クイズのおっさん」との日々を演じられていかがでしたか。

松重さんに愛を感じます。松重さんがいなくなっちゃって三日目さみしいです。それくらいクイズのおっさんが好きです。
『世にも奇妙な物語』は26周年を迎えるところで、高橋一生さんも『ドラマティックシンドローム』(2001年)、さらには『箱』(2015年)に続いて今回も出演してくださっていますが、『奇妙』の魅力というのはどんなところにあると思われますでしょうか。
やはりすごくぶっとんだ話も変にリアリティを持って迫ってくるドラマで、見てる人が意表をつかれるというところではないでしょうか。
コメディかなと思うとシリアスだったり、ホラーかなと思うとコメディだったり、と『世にも奇妙な物語』というのは、すごく攻めたシリーズだと思います。僕も『奇妙』が好きでけっこう見ています。今回もとてもおもしろい作品になっていると思います。

視聴者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

奇妙なことが始まるぞ、とかまえないで見ていただいたほうがおもしろいかもしれない。意表をつかれてほしい虚を突かれてほしい、といいますか。そういうことって最近ドラマを見ていてなかなかないかもしれないので、純粋な気持ちでお客さんとしてテレビの前でドラマを楽しんでいただけたらと思います。