いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 毎週月曜 夜9時 Every Monday 9:00P.M.

2016.3.10.Thu Update インタビュー#5 井吹 朝陽役 西島 隆弘さん

今回の現場の印象は?
最初に音(有村架純)と練(高良健吾)の北海道での撮影があって、戻ってきて3日目か4日目くらいのタイミングで僕も現場に入ったんです。その時にはすでに現場の良い空気感が出来上がっていたので、その雰囲気にどう自分を馴染ませていったらいいのか、考えながら演じました。とはいえ、最初のワンカットが1話のラストのシーンだけだったんですけど(笑)。
台本を読んで考えたことは?
さっきも架純ちゃんや充希ちゃんと話していたんですけど、今回のストーリーは…例えば、第2章が始まってからの音と木穂子の関係性とか、いろいろなところで日常会話的な、とても自然なやり取りがある中で、朝陽と晴太(坂口健太郎)に関しては、分かり易く言うとドラマチックなセリフのやり取りが多いよね、と。今回のドラマは、凄くリアルな描写がありながらも、今までの日本のドラマ文化の流れとは違う、ファンタジーな部分というか、実際に起きること・起きないこと、それから起きたら凄く気持ちが良いこと…というようなさまざまなエッセンスが散りばめられているというか。恋愛群像劇という流れではあるけれども、どこかに特化したストーリーやどこかに特化したジャンルではなくて、日常的なものと非日常的なものが音の周りで起きるドラマだと思うんです。そんな世界にこの4ヵ月間、僕も浸ってきた感じがします。ただ、僕は架純ちゃんとのお芝居が多くて、高良くんとのお芝居はほとんどなかったんですよね。ついこの前、充希ちゃんに会ったときも「芋煮会以来だよね?」なんて話をしていましたから(笑)。小日向(文世)さん演じる父親との確執の話もありましたけど、朝陽は基本的に音だけなので、どうやって音を振り回すことができるか、というところがテーマだったような気がします。練の前で出す表情ではない音が引き出せていたのなら良かったな、と今は思っています。

6人のキャラクターは、それぞれひとつの顔だけではないですよね。
朝陽さんも、軽薄そうに見えるところもありましたが、
笑顔の奥に悲しみを湛えているようなところもあって…。
演じるにあたって監督からは何かリクエストがありましたか?
朝陽のセリフって、日常会話的なものじゃない場合が多いんです。ドラマチックなセリフばっかりで。だから、ちょっと油断するとオーバーな表現になりやすいんです。なので、いかに余分なものをそぎ落としていくか…味の濃いものを食べているから、できるだけそれを水で薄めながら食べる、みたいな(笑)。オーバーではなく、しかもナチュラルなところにも行かないラインで監督とも相談しながら演じていました。
それは西島さんのさじ加減ひとつで
かなり印象が変わってしまうものですね。
そうだと思います。音と練が仲よくしゃべっているところなんて、ほとんど普通の会話だったりするので、多分そことの対比になるような音の表情を出したかったからなんだろうな、と思うんです。トータルで朝陽はこの作品の中で何を伝えたかったのか、と考えると、彼は愛人の息子だったという部分も大きいんじゃないかな、と思いました。30年間、本当の愛情をもらえていなかったから、音に対してそれを求めたし、父親に対しても求めていたんだけど、それが屈折していって欲が出てしまったから本当に大切なものを見失ってしまったというか…。それが第2章の朝陽の姿なのかもしれないですね。
音と練に幸せになってほしい、という方もいれば、
音と朝陽が結ばれるべきだという意見もあります。
良い意味で、予想を裏切っていくドラマなのかもしれません。
音と朝陽との関係性は、ずっとドラマチックですからね。朝陽にとってのリアルは、父親との関係性くらいですからね。

有村架純さんとのお芝居はいかがでしたか?
凄く現実的だなと思ったのは、人に対しての顔の見せ方がそれぞれ違うんですよね。練に対して素がでてくるところ、木穂子に対してバリアを張っているようなところ、朝陽に好意を持たれていることに対する表情、介護施設にいる人たちとのやり取り…普段、みんなも無意識にやっているところを、ちゃんと変化させているところですね。その感覚はすごいなと思いながら見ていました。架純ちゃんはもちろん、他のメンバーも、普段、ひとりの人間が色々な人に対するときの態度が本当に細かく映ってるんです。だからこそ、ながら見が出来ない作品になったんじゃないかと思うんです。ふんわりしてるけど胸に刺さる部分、リアルな現実、「ああ、わかる」って共感してもらえる部分、「ああ、こんなことがあったらいいな」と思える部分…いろんなものが絵となり言葉になり、映っている作品だと思うので。
分かり易さを求めているドラマではありませんからね。
そうなんです。だからその中で、「ドラマってこうだよね」って思って見る方、分かり易さが欲しいと思っている方に対して刺さるのはドラマチックさだと思うし。そういったところにもちゃんと向けられた芝居が出来ていたらいいな、と思います。6人には、ちゃんと役割分担があるドラマだと思うんです。だから、受け入れやすいシーンもあれば、そうじゃないシーンもあるというか。音と朝陽のシーンは、「こんなことがあったらいいな」という第1章があって、だから朝陽と結婚するのが一番いいと思う人もいるだろうし、音と練を見ていると「リアルだよね」とか「結果、上手くいかないんだよ」と思う人がいるのもわかるので(笑)。練と朝陽は、性格じゃなくて空気感が違ったのは本当に面白いな、と思ったんです。そこに、木穂子の現実的な感じが加わったりして…。そういう意味でもこのドラマは、懐かしさもあるんですけど、新しいなとも思いました。新しい形の恋愛ストーリーなんじゃないかな、と。
最後に、ドラマを応援してくれている視聴者のみなさんに
メッセージをお願いします。
第2章が始まって、多分ここから急展開の出来事がたくさん起きるんですけど、音はブレないので…。音が出会った人たちが織りなす色々なストーリーを、ひとつずつ入りこんで見てほしいです。そうすると、もっと色々なものが見えてくるんじゃないかな、と思っています。最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。