Vol.8 仁志祐介役 伊原剛志さん

まず、今回のチームの印象からお願いします。

穏やかで、楽しい現場だと思います。普段はリラックスしていても、やるときはちゃんとやる、というチームですね。無駄話もたくさんしてますけど(笑)。

演じることの難しさはどんな役にもあると思いますが、医療ドラマとなるとまた別の側面もあると思います。医師役というのはいかがですか?

今回、僕はそれほど手術シーンがあるわけでもないですし、患者さんと直接向き合っているわけでもないので。春樹(斎藤工)にアドバイスをしたり、カンファレンスのシーンで、渡辺経営本部長(生瀬勝久)に反抗してでも言わなければいけないことを言ったり。ただそれよりも、自分が抱えている大きな問題…友子(板谷由夏)とのことがあるので、そっちの方が大変ですね(笑)。

友子さんとのことは、あまりにも大きな問題ですよね。

医者らしい部分が少ないので、そこはちゃんと医者らしく見せないといけないんじゃないかな、とは思っています。

仁志というキャラクターを演じるにあたって、特別に考えたことはありましたか?

まず、友子と一緒にいるときの雰囲気がとても大事だと思ったんです。やっていることは世間から非難されるようなことですけど、それでもふたりの、一緒にいるだけで本当にお互いが自然体になれるような雰囲気をちゃんと作ることによって、見てくれる人たちに、「ああ、あのふたりは結ばれてほしい」と思ってもらえるような関係性を作らないといけないな、とは考えていました。板谷さんとは初共演で、どんな方なのかも知らなかったんですけど、2話にはもうベッドシーンもありましたし…。ただ、いまではもう、一緒にいるだけで心地良い感じはしています。

確かに、許されない不倫関係ではありますけど、仁志先生と友子先生がお互いを信頼している感じはとても素敵だと思います。

それをどういう風に出せるか、ということなんだと思います。よく、「俺らは引きの役者だね」って言っているんです。6話でも、平野眞監督が引きのシーンを使ってくれていて、そういう風にすると雰囲気がでる役者だと思うんです、僕らふたりは。それが活かされているから、見てくれている人も「このふたり、合ってるよね」と感じて応援してくれるんじゃないかと思っています。片や、妻の恵美(櫻井淳子)は怖いですし、向こうの旦那の聡(水橋研二)は真面目すぎるのかちょっとエキセントリックになってきているので…。

仁志先生の何とも言えない寂しげな表情、悲しげな表情が増えてきました。

そうですね。辛くて重いシーンが多くて…。だから、短いシーンでも、終わるとドッと疲れちゃうんです。特に家のシーン(笑)。

ドアを開けるのに躊躇してしまうようなシーンもありました。

お義母さんの節子(田島令子)さんも出てきて、「子どもはウチで引き取って養子縁組する」みたいなことを言い出すし…。ある意味、誠実な部分も持っているから、奥さんとかお義母さんに対してもスパッと切り捨てるようなことはできないんじゃないかな、とは思っているんです。

そんな仁志先生が連れてきた医師・春樹という男に関してはいかがですか?

先輩後輩の間柄ですけど、かつて、仁志にも春樹みたいな若いころがあって…。そのころの気持ちももちろんどっかに持っているんだけど、いまはいろんなことで揉まれて、病院の中で賢く立ち振る舞っていかないといけないという意識もあって…。でも本当は、春樹が羨ましかったりして、それに影響されていつもより渡辺本部長に物申したりするような部分も出てきてしまったんじゃないかな、と思うんです。

演じる斎藤工さんに関してはいかがですか?飄々としていてどこかつかみどころがない方のような印象もありますが…。

まあでも、役者ってそんなもんじゃないですか?僕は2回目の共演なんですけど、前回は高校生同士(註:映画『愛と誠』で共演)でしたからね(笑)。

医者も人間ですから、いろいろと悩みや問題を抱えていることもあると思いますが、それに対して世間が寛容ではないようなところが辛いですね。

白衣のように、真っ白でいてほしい、というような患者サイドの願望、一般人のイメージはあるでしょうね。大変だと思いますよ。

でも、手術中に世間話をしたりするのは、リアルによくある話だそうですね。

僕が手術を見学したときは、普通にクラシック音楽をかけてましたよ。心臓の手術だったんですけど、その方がリラックスするから、という理由で。

恋愛に関しても、医療関係者同士の恋愛は、普通の職場恋愛ですしね。

そうですよ。役者だって同じですからね(笑)。役者同士とか業界関係が多いのは当然のことですよね。

物語の方は、まだそれぞれの抱える問題や、恋愛問題まだ何も解決していないわけですが…。

踏み出したけど、まだ色々な壁や障害が立ちふさがって先に進めない、という状態ですね。行き詰っている仁志(笑)。どんどん苦しくなっている感じですね。たまに春樹に相談したりもしていますけど、誰かに頼るというような状況ではないですし。いやあ、大変ですね。

どんな結末が待っているんでしょうか?

個人的にはハッピーエンドがいいと思っているんですけど…。仁志と友子なら、新しい形の生き方があるんじゃないかと思うんです。子どものことは一番大事ですけど、「こういう関係もありなのかな?」と思ってもらえるような形がいいですね。まあ、いずれにせよ、家のことはキチンと決着をつけないといけないですけど…。春樹と千鶴(石田ゆり子)の場合は進み具合が遅いし、宗太郎(平山浩行)と奈々(相武紗季)の関係も動いていますけどあっちはあっちでなかなか難しいし…。3組のカップルの事情はそれぞれ違うから、その辺のバランスもよく出来ているドラマだと思っています。

最後に視聴者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。

世の中の人は仁志が苦悩している姿も楽しんでくれているようなんですけど、僕は早くこの苦悩から脱出して気楽になりたいと思っています(笑)。まだまだ、どうなるかわかりませんけど、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。

仁志先生の白衣姿がステキだというコメントもたくさん届いています。

嬉しいです(笑)。じゃあ、普段着も白衣にしようかな(笑)。

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