武井咲が『ほんとにあった怖い話』で主演することが決定、同時期にホラードラマと恋愛ドラマの2本に主演し、今年の夏はエンターテインメント界を席巻する。今夏は芸能界1、2位を争う多忙さを極めることになりそうだ。
二度目の主演となる武井が演じるのは看護師役。病棟を舞台に白い看護師スタイル1着で最後から最後まで大奮闘する。『ほん怖』への出演は2011年の夏以来5年ぶり。前回は、久々に同窓会の知らせをもらい友人と車で向かうがどうしても目的地にたどりつけない。そういえば同窓会の誘いは家への留守電のみで、はがきも何も持っていないことに気付いたがもうそのときは遅かった。武井演じる女性を襲う恐怖と切ない結末が話題を呼んだ。
今回演じるのは「病棟に棲む五円玉」。吉川亜由美(武井咲)はようやく正規の看護師として病院で働きはじめた。その病院では不可解な音が聞こえるなどいろいろなことが起きたが、それにも慣れたつもりでいた。ある日、一人の小学生の女の子、藤木麻友(豊嶋花)が入院してきた。少女はスケッチブックを抱えこみ、病院内の見取り図を描き始める。この日から亜由美は思いも寄らない恐怖に襲われるのだった…。
収録現場には武井の断末魔の叫びのような声が何度も響き渡り、本物の病院を使った収録ということもあり、まさに「ほんとにあった怖い」収録現場となった。
「Jホラーの先駆者」と呼ばれる鶴田法男の現場ということで収録も刺激に満ちているようで、「この環境の中で作っている怖さを感じています。だからこそリアルなんです。視聴者の皆さんにはリアルで不気味なホラー作品を楽しんでもらえたらいいなと思います」と意気込んだ。
今回は中島にとっては、初ホラー作品への出演ということ以上に大好きで小さい頃からずっと見ていた『ほん怖』への出演ということで、“よっしゃーっ”と飛び上がったそう。
中島が主演したドラマは「押し入れが怖い」。美容師への夢を諦めきれずサラリーマンを辞めて上京した幹也(中島健人)は、友達の義之(前野朋哉)のすすめもあってある安アパートに住み始めた。ある日、閉めたはずの押し入れが1/3ほど開いていることに気付く。押し入れから耳を疑うような音が! なんと聞こえてきたのは少年の声。この恐怖に幹也はどう立ち向かうのか。まさに『ほん怖』ならではのストーリー展開だ。
プロデューサーの後藤博幸は今年の『ほん怖』は中島しかいない! と思っていたそうで、「映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』を見て、今年の『ほん怖』は中島健人で決まりだと思いました。どSだが心に抱えるものを持つ役柄を見事に演じきられました。ますますいい役者さんになられたと思います。これまでは『黒崎~』や『黒服物語』など動じないキャラが多かったと思いますが、今回はその真逆のお芝居を見てみたいと思い出演を依頼しました」と語り、まさに後藤が見たかった中島健人が『ほん怖』で誕生する。
テレビ地上波のみならず、VR(バーチャルリアリティー)でも乃木坂46を主演に据えた初の試みが行われる。「乃木坂46 VRホラーハウス」と題しフジテレビ夏の大型イベント「お台場みんなの夢大陸2016」(8月31日まで開催中)で体験できる。生駒里奈、齋藤飛鳥、桜井玲香、高山一実、西野七瀬といった乃木坂46のメンバーが今にも自分に飛びついてきてくれそうな体験ができる。
今回のVR展開を統括する小川泰(フジテレビ編成局)は「秋元康さんの企画の元、社内の横断的プロジェクトとして立体的にVR展開を実現できてうれしく思っている」と手応えを感じている様子。「今春VRを体験しすばらしさに心を奪われて以来何かフジテレビならではのおもしろい企画を立ち上げたいと考えていた」と言う。そんな時、秋元氏からのアイデアを受け、フジテレビ総合編成センターを中心に、事業担当、コンテンツ事業担当、そしてドラマ制作担当者がタッグを組み、今回のようなプロジェクトが実現する運びとなった。
VRの収録が行われたのは6月。VR作品では、乃木坂46メンバーは本人として登場し、『ほん怖』特別企画で心霊スポットに取材をするという設定。某病院のボイラー室を訪れた5人だが、この病院は昔女性が首つり自殺をして以来事故が相次ぎ閉鎖されたという。取材に来た5人はそれぞれにカメラを装着したり照明を担当したりと自ら撮影しながら進んで行く。するとそこで彼女たちは驚きの事態に巻き込まれていく。
前田敦子も『ほん怖』に初主演することが決定した。
昨年、26年目を迎えた『世にも奇妙な物語』(1990年4月19日スタート)と、約17年目を迎える『ほんとにあった怖い話』(1999年8月27日スタート)のフジテレビ2大長寿オムニバスドラマへの主演を務めることになる。
昨年の『世にも奇妙な物語』では、自分が過去に罪をおかした場所にしばりつけられたように動けなくなってしまう「地縛者」で主演。同作品では、動けなくなった原因を探る立ち場にいたはずが自分自身も過去の罪のためにある場所から動けなくなってしまうという役を演じた。奇妙なストーリー展開だけでなく悲しい過去にしばられる女性を熱演し、見る者の心を揺さぶった。
今回、前田が主演する「夏の知らせ」は、身の毛もよだつようなホラードラマ、というよりも父の愛がテーマの“泣けるホラー作品”。恐怖の余り叫び声をあげるといった形とはひと味違うじわりとした怖さを表現する。このドラマの鍵を握る父親を演じる鹿賀丈史の演技も見逃せない。
8月20日(土)午後9時から放送の『ほんとにあった怖い話 夏の特別編2016』では、恐怖に耐える表情や、後悔の念に苦しめられる表情、悲しみをたたえた表情など、前田敦子のさまざまな表情が見られることになりそうだ。
柳葉敏郎を主演に迎え、亡き妻への思いを抱えながら子どもたちと共に貸別荘にやってきた男性の恐怖体験をお送りする。後藤プロデューサーは「『ほん怖』では珍しい50代の男性の貴重な体験を元にしており、悲しみを抱えながら生きている男性が怪奇現象に巻き込まれる人間の業のようなものをぜひ柳葉敏郎さんにじっくりと演じていただきたかった」と起用理由を語っている。柳葉敏郎も「今回の作品はただ、“怖い話”ということにとどまらず、亡くなった妻への思い、といった悲しさをも表現できたらと思います」
また、新たな名作が「ほん怖」の歴史に刻まれることになりそうだ。