インタビュー

『タクシードライバーは語る』坂上忍さんインタビュー
92年放送の『世にも奇妙な物語』以来、約22年ぶりのホラー出演ですが。
もうそんな前になるんですね。あの時で『世にも-』はもう懲りました。カット割りが細かくて、徹夜続きで頭回らず…。僕は『世にも-』に向いてないなって 感じた思い出の作品です(笑)。ホラーは苦手で全然ダメなんですが、霊感も全くないし幽霊とか信じてないので、演じる分には大丈夫でした。まぁ気持ちのい いものではないですよね。怖いシーンはやっぱり少し怖かったです
テレビドラマでの演技も久々ですが。
去年、新歌舞伎座でやったので演技は1年ぶり。テレビドラマだと2、3年ぶりくらいかな?久しぶりだな~、と思いながらやったけど、そんなに違和感はな かったですね。監督は、僕よりも幽霊に対する思い入れが強くて、幽霊の目線とか髪の毛一本にこだわっていて、僕は放置プレーでした(笑)。バラエティーだ といろんなテレビ局に移動したりとバタバタするけど、久々に1つの現場に朝から晩までいたので、そういう点では落ち着くな~、って思ったりもしました
台本を読んだ感想は?
ホラーなのでもっと刺激の強い作品なんだと思ってましたけど、そうではなくて、日常的な怖さを感じる作品でした。監督の演出もすごくリアル。バックミラー 越しにお客さんを見るシーンでも、ドラマだしある程度見た方がいいかなって思って結構ミラーを見てたんですけど、『それだと脇見運転になります』って言われました(笑)。全編通してリアルさが徹底されている作品です
普段ホラーはご覧になりますか?
ほとんど見ないです。小学生の時に『オーメン パート1』を見て、度肝抜かれちゃって…。そもそも大きい音が苦手なんです。でもヒットした作品は、頑張ってDVDで見たりします。映画館だと大きい音に反応して飛び上がっちゃうので、家で見ますね
過去に恐怖体験をしたことはありますか?
全くないです。見えないし、金縛りもない。子どもの頃に肝試しとかもしたこともあるけど、大っ嫌いだった。昔は機械だったお化け屋敷のお化けも、僕が中学生くらいの時に実際の人間が脅かすようになって。初めてそれを経験した時はお化け屋敷を泣きながら走りましたよ(笑)
普段はタクシーを利用する側ですが、何かエピソードはありますか?
正直言うとタクシーに良い印象はないです(笑)。一番イラっときたのは、乗って目的地を言って、『分かりました』って言ってメーターを倒してから、『道を 教えていただけますか?』って言われたこと。『いや、ちょっと待てよ』と。『道知らないんだったら、目的地を言った時点でどうして聞かないの?』って押し 問答になりました。僕そういう時めちゃめちゃ理路整然と言うんですよ。そうしたらドライバーさんが、『カメラ回ってますよ!』って言ってきて。さすがにそ の言葉には弱いんで道教えましたけど(笑)、もうコノヤロー!って思って。でも良いドライバーさんもたくさんいますよ。僕はタクシーとかに財布とか携帯を よく落とすんですが、ほとんどちゃんと戻ってくるんです。何回も助けられています。それに、今回は本物の運転手さんにお客さんの乗せ方などを教わったので すが、想像以上に大変なお仕事です。もうタクシー嫌いとか言っちゃいけないですね(笑)。狭い運転席に座りっぱなしで、タバコも吸えない。しかもタコメー ターが付いていて常にどこで何をしているのか監視されてるんですよ。これで夜に酔っ払いなんて乗ってきた時は最悪ですよね。僕はそれをやってる方ですから ね(笑)。大変さを知ったので、これからは乗り方が少し変わると思います。持続するかはわかりませんが(笑)
ずばり坂上さんにとって“ほんとに怖いもの”は?
マスコミです(笑)
視聴者にメッセージをお願いします。
今回ご一緒した鶴田監督は前から知っていたので、丁寧な絵作りをされるってことも知っていました。大事に撮ってくださってるので、たくさんの人に見ていただければうれしいです
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