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第2シーズン #15

のびる髪
のびる髪
  • 脚本・演出:三宅隆太
  • 出演:木下聡子 … 安藤咲良
  • 木下修一 … 檀臣幸
  • 木下由紀 … 那須佐代子

いまから7、8年前のこと、当時8歳だった聡子(安藤)は、ガラスケースに入っている日本人形の髪の毛が伸びていることに気づく。が、母親の由紀(那須)報告しても、思い過ごしだと言われていた。
数日後の深夜、トイレに起きた聡子が2階から1階に降りようとすると、突然その人形のケースが激しく振動した。聡子は、恐怖のあまり、父親の修一(檀)と由紀のいる寝室に駆け込んだが、やはり両親は信じてくれなかった。
それからしばらく後、塾から帰った聡子が居間に向かうと、愛鳥のピッピが死んでいた。由紀が買い物から戻ると、何故かピッピは鳥かごの中ではなく、本棚の上で死んでいたのだという。
その夜、聡子は、人形ケースの上にピッピの尾羽根があることに気づく。人形がピッピを殺した、と思い込んだ聡子は、見よう見まねでその人形の前に祭壇を用意し、毎晩お参りするようになった。そのおかげか、聡子は安心して眠れるようになったが、お参りを忘れた夜は夢の中で人形ケースが振動する音を聞き、慌ててお参りをすることもあった。 数年後、16歳になった聡子は、荷物整理をしている最中に、ピッピの羽根を見つける。聡子は、いつの間にかなくなってしまったあの人形のことを思い出していた。

霊を招く波長
霊を招く波長
  • 脚本:三宅隆太
  • 演出:鶴田法男
  • 出演:寺門ジモン … 寺門ジモン
  • 兄 … 伊藤正之
  • 友人 … ノンキー山崎
  • 着物の女 … 佐藤ルル

霊の存在をまったく信じていなかった寺門ジモンは、引っ越したばかりの友人が部屋で幽霊を見たと聞き、面白半分で泊まりに行った。その夜、眠っていた寺門は、パラパラという物音に気づいて目を覚ました。それは、一冊の本が、風も吹いていないのに、勝手にページがめくられていく音だった。
それからしばらくして、実家の近くで薬剤師をしている兄(伊藤)が上京し、寺門の部屋に泊まることになった。寺門は、部屋の鍵をポストに入れ、勝手に入っていてくれ、と電話で伝えると、仕事に向かった。
その夜、仕事を終えた寺門が家に戻ろうとすると、兄から電話が入った。部屋でおかしなことがあったのだという。寺門は、兄に言われて、部屋ではなく、近所の喫茶店で会うことにする。
 店に着いた寺門は、兄から事情を聞いた。寺門の部屋にいた兄が、テレビを点けたままうたた寝していると、突然、年老いた手が頬に触れたのだという。が、それは怖いというより、優しい感じだったらしい。兄の話を聞いていた寺門は、それは他界した祖母なのではないかと思い当たった。聞けば、兄は上京する前日にも墓参りをしてきたのだという。部屋に戻ったふたりは、揃って手を合わせた。
あくる日、寺門と兄がマンション近くの道を歩いていると、前方から、長い髪をダラリと垂らした着物姿の女(佐藤)がこちらに向かって歩いてきた。まるで幽霊のような姿とその動きに、「ザ・ユーレイだよ、あれじゃ」とつい笑ってしまう寺門。が、ふたりがその女とすれ違う瞬間、女は「どうしてわかった?」と寺門に向かっていい…。

死を告げるコール
死を告げるコール
  • 脚本:林民夫
  • 演出:星野和成
  • 出演:立石義和 … 浅野和之
  • 大山潤 … 樋渡真司
  • 看護師 … 柳下季里
  • 立石みずえ … 渡辺典子

まだ携帯電話が普及していなかったころ、総合病院に勤める医師・立石(浅野)は、何かあったときのために、病院からポケットベルを渡されていた。ある日、勤務を終えた立石が家に向かって車を走らせているとポケベルが鳴った。病院からだった。立石は、車を止めて公衆電話から病院に連絡を入れた。が、誰も立石には連絡していないという。立石は、不審に思いながらも、家に戻った。すると、再び立石のポケベルに病院から連絡が入った。立石が病院に電話すると、担当患者の容態が急変したという。立石は慌てて病院に戻ったが、結局、その患者は助からなかった。
数ヵ月後、立石は、非番を利用して、妻のみずえ(渡辺)と旅行に出かけた。が、出発してほどなく、ポケベルに病院から連絡が入る。立石は、病院に電話したが、誰も連絡していないようだった。
それからしばらくして、立石の担当している入院患者の容態が急変した。当直だった医師・大山(樋渡)が処置を始めようとすると、そこに立石が戻ってきた。彼は、以前の出来事を思い出し、引き返してきたのだった。が、立石らの懸命の処置にもかかわらず、患者は助からなかった。立石は、死を予知するかのように鳴ったポケベルを見つめたまま立ち尽くしていた。

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