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西谷弘監督が語る『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』
今回の『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』という作品にどんな思いで取り組んでいこうと思われましたか?
僕は、いままで男性主役の作品が多かったんです。当然、ヒロインとして女性も出演していますけど、主役は男性、という作品がとても多かったんですね。この作品は企画の段階で話をいただいたんですけど、「監督、女性主役のドラマというのはどうですか?」と聞かれたんです。やっぱり、男性の僕にはどうしても女性のことはわからない部分がありますから、それに対する僕自身の期待と不安があって…。いままで避けてきたわけではないのですが、生理がわかる分、男性の方が自分の信じている部分というのかな? その幅が大きいので、その辺にはちょっと不安もあったんです。でもそろそろ、そういう部分にもチャレンジしてみたい、という思いと、男性・女性と言いつつも、迷うときは結局同じ人間としての思考や行動、というものに基づいてやってきたので、そういう意味でも凄く挑み甲斐がる作品だと思ったんです。大人のある恋愛の形…そこに背徳という、手放しで迎え入れてもらえないものがありますし、警察ものや病院ものとも違う、解決すべき方法とか、これが人が生きる道なんだと言えないようなところがとても魅力的ですし、劇中で起こっていることは、個人の、パーソナルな小さな事件じゃないですか。そこは凄く、作っていても楽しいところですね。
不倫を扱った作品ですけど、そこには人間の持つ弱さ…ちょっとしたことで心が揺らいでしまう部分が描かれている作品ですよね。例えば映像として、今回はどういう部分にチャレンジしようと思われましたか?
最近は映画ばかりで、テレビドラマは久しぶりだったんです。なので、テレビドラマが持つ瞬発力とかスピード感にどれだけついていけるかな、という思いもあったんですけど、事前にカメラマンやスタッフとも方向性についていろいろな話をして…。その積み重ねがあったので、あとは実際に役者さんの芝居を見て、その瞬間の一番美しい様…それは、迷っている人間の美しさなども含めて、切り取っていっている感じですね。
映画から連続ドラマに戻ってこられても、現場に来れば感覚は取り戻せる、という感じでしょうか?
そうですね。スタイルということでは大きな差はありませんし、それぞれに良いところがたくさんあるわけで…。テレビドラマの方がスケジュール的にハードなので、それに負けないように、みんなで声を出して盛り立てている感じですけどね(笑)。
紗和役の上戸彩さん、利佳子役の吉瀬美智子さんの印象は?
おふたりともご一緒させていただくのは初めてだったので、リハーサルをやらせていただいたんですけど、まず上戸さんとやったときに…そのときは第2話のスーパーで働くシーンで、本来そこのセリフの持っている意味は違うんですけど、ただ一番紗和の日常に近い、パートの同僚と話しているシーンだったんです。そこで、紗和というキャラクターの日常を作るところから始めて…。紗和の年齢は上戸さんの実年齢より上の設定ですし、普段の上戸さんよりもちょっとオバさんが入った、5年の結婚生活を経て、慣れあいも惰性も疲れも含めた紗和の日常を、どこまで自分のイメージに近づけられるかな、と思っていたんですけど、上戸さんはいい意味でとても器用な方で、表現力の幅が想像以上に広かったですね。
題材的にも、いままで見たことがない上戸さんが見られるのではないかという期待がありました。
そうだと思います。この企画ありきで始めたときに…まあご本人が一番思っていたことかもしれませんが、ちょっと若いかな、とは思ったんです。しかも、背徳の道に行ってしまう主婦ということで、そこにどれだけ説得力を出せるか、という部分は今回の一番の勝負どころかな、と思っていたんです。そういう意味では、まさに体当たりで芝居をしてくれていますね。
紗和とは対極ともいえるキャラクターの利佳子を演じる吉瀬さんに関してはいかがですか?
利佳子のセリフがとても多いんですよね。最初は、どれだけモンスターな女性像にしようかな、と思ったんですけど、そこを記号化しても仕方ないな、と。美しくて、何でも持っている女性というのは、吉瀬さんご自身が持っているもので描けるじゃないですか。そこから変に背伸びをしたような芝居ではなく、地に足がついたお芝居というか…。利佳子の持っている普段…妻であるとき、母親であるとき、という家庭内の顔と、“昼顔”になるときの顔の差だけを気を付ければ、と思いました。利佳子はホントに長ゼリフですし、全部が核心をついたことを言っているんです。井上由美子さんもその辺をとても大事に描いているので、何度も何度も打ち合わせをしながらやっています。セリフ劇という要素がとても強いので、その辺は特に大事にしている部分です。
顔合わせのあとに、監督がキャスト陣それぞれに課題を出されましたね。普段、ああいうシーンを見たことがなかったので、とても印象に残っているのですが…。
特に今回は、初めてご一緒する役者さんが多かったので…。あれは、与えたテーマを詰めていく、ということではなくて、それに対してどういう反応を示すのか、どういう向き合い方をするのか、ということを見せていただいたという感じです。いろいろ役柄についてを説明してもいいんですけど、それは文章を読んでもらえばわかることなので、それよりもどのようにコミュニケーションをとっていけば魅力を引き出せるのか、そのシミュレーションみたいなものでしたね。
紗和の相手役となる北野を演じる斎藤工さん、利佳子の相手となる加藤を演じる北村一輝さんについてもお話いただけますか?
斎藤さんも初めてなんです。実は僕、普段テレビとかをあまり見ないのであまり彼のことを知らなかったんですけど、三池崇史さんの『愛と誠』で演じていた岩清水という役が印象に残っていて…。ウチの女性プロデューサーは「斎藤工くんはいい!」とキャーキャー言ってたんで(笑)、女子人気の高い人なのかな、という風に思っていたんですよね。でも、実際にお会いしてみると、かなり骨太な印象で、男性から好かれるタイプだな、という風に感じました。男友達が多いタイプ、というか。あと、映画に凄く詳しくて、「あの映画の○○みたいに…」というと、「じゃあ見てみます」じゃなくてもう全部知ってる、みたいな(笑)。なので、一緒に飯を食ってても気楽で楽しいだろうな、と思いました。ワイルドさがあるかと思えば凄く繊細な面も見える感じがしますし、小動物のような瞳が魅力的だったりもしますし…。今回、彼が演じる北野という男は朴訥だったりするんですけど、何でも思ったことを口にしてしまうような人間としてのある“欠陥”も持っているというキャラクターなので、そういう部分をどこまで出してくれるか楽しみですね。自分の生きやすさを選ぶが故、周りから受け入れられないという、折り合いの付け方がとても下手なキャラクターなので。
北村さんは顔合わせ時に「ラブストーリーは初めて」とおっしゃっていました。
北村さんだけは唯一、ご一緒させていただいたことがあるんです。『ガリレオ』シリーズなどで。彼は、どんな役をやっても色気を感じさせる役者だと思います。今回の加藤という役は彼しかいないと思います。浮世離れしたというか、世間を捨てているようなキャラクターなので。今回、井上さん含め、それぞれのバックグラウンドを書いたりしていたんですけど、北村さんの加藤という役には一番魅力を感じました。ああいうアウトローは好きなので(笑)。そういう意味では、一番作りやすいですし、チャレンジし甲斐のある役でもあると思っています。
劇中で、その加藤が描く絵を手がけている北村直登さんについてもうかがっていいですか?西谷監督がお好きな画家さんだと伺ったのですが…。
知り合いから勧められて、東京で開かれた個展を見に行ったのがきっかけだったんです。今回、そういう話の流れになったときに、「ああ、北村直登さんと一緒にできたらいいな」とは思いましたけど、決して日の目を見ない絵描きの話ですし、ドラマの展開上の問題もあり、迷いました。自分が好きなだけに、メディアを通じて世間に広めることが果たして北村直登さんにとって意味のあるのことなのか、と。ファンだけに、迷惑をかけたくないですからね。その前に、まずやっていただけるかどうか、ということもあったんですけど(笑)。僕は変に照れくさいというか、アガってしまうので行かなかったんですけど、プロデューサー陣に交渉に行ってもらったら快く引き受けてくださって。北村さんは大分在住の方なんですね。で、ウチのスタッフとコミュニケーションをとりながら、いろんなオーダーに応えてくれますし、アーティストですから、色ひとつとっても「これは情熱の裏側にある冷静さの色を持ってきた方がいいのではないか」というような助言もしていただいています。全身全霊をかけて描いてくださっているので、こちらもそれに応えられるような作品にしなければいけない、と思っています。
テレビドラマにも規制があり、恋愛ドラマでもラブシーンの描写には限界があります。そういう中で、背徳的なテーマを扱うことに関してどのようにお考えですか?
その辺のボーダーラインは確かに難しくもあるんですけど、「昔はもっと緩かった」とか「映画ならできる」とかいろんな話があると思うんです。でも僕は、そういう中から生まれてくるものが必ずあると思っていて。よく「ピンチがチャンス」と言いますけど、Aタイプというものを最初に提示して、そこに規制がかかればBタイプを考えなきゃいけないですし、そうするとAとBをブレンドしたCというものも生まれるし…という中で、監督の仕事としては、それをどれだけ楽しめるか、ということだと思うんです。まあ、いまはこうやって余裕をもって話していられますけど、実際にあれこれ言われたときは「ふざけんな!」と思っていますけどね(笑)。といっても、それで引き下がるわけでもないですし、そういう状況の下で新たに生まれたものって、いままでになかったものだったりもするので、僕もそれを楽しみたいと思っています。

西谷弘(にしたに・ひろし)
『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』チーフディレクター。
『ガリレオ』『任侠ヘルパー』『白い巨塔』『月の恋人〜Moon Lovers〜』などのヒットドラマのほか、映画『真夏の方程式』『容疑者Xの献身』『任侠ヘルパー』などの監督も務めた。

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