第三話 エンドレス・ナイト

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キャスト&スタッフ

キャスト
田村厚子…松下奈緒 番場十三…大杉漣 田村洋一…田中幸太朗ほか
スタッフ
原作…東野圭吾(エンドレス・ナイト『犯人のいない殺人の夜』光文社文庫)脚本…田辺満 演出…河野圭太 シリーズ企画プロデュース…小池秀樹 プロデュース…小椋久雄

あらすじ

東京のマンションの一室で寝ていた田村厚子(松下奈緒)は、電話の鳴る音で起こされる。受話器をとった厚子の耳に飛び込んで来たのは、夫の洋一(田中幸太朗)が殺害されたという警察からの連絡だった。

大阪に向かう新幹線の中で、厚子は洋一のことを思い起こす。洋一はアパレルチェーン社長の御曹司。新しく大阪に立ち上げるブランドの経営を任されたため、単身で現地に行っていた。もちろん、当初は厚子も誘われている。しかし、厚子は洋裁学校の講師を東京で続けたいこと、また、大阪の街が肌に合わないとの理由で断ってしまう。

大阪に着いた厚子を番場十三(大杉漣)たち刑事が出迎えた。洋一の遺体確認を終えた厚子は、自ら殺害現場に連れて行って欲しいと頼む。洋一は自分の店で刺殺されていた。検死報告などを話した番場は、厚子に洋一との最後の接触を尋ねる。厚子は一昨日、洋一から電話があり、大阪に遊びに来ないかと言われたが、断ったと話した。番場は洋一が殺された原因に心当たりはないかと聞くが、厚子はないと答える。厚子は手がかりを調べさせて欲しいと言う番場と、洋一が暮らしていたマンションへ。そこで初めて洋一が亡くなったことを実感し、涙を流す。

その夜、洋一のマンションで寝ようとする厚子。と、玄関で物音が…。恐怖する厚子の前に、刃物を手にした男が現れた。

原作:東野圭吾 エンドレス・ナイト『犯人のいない殺人の夜』光文社文庫より

インタビュー

演じられた厚子は、どのようなキャラクターでしたか?
「厚子は洋一(田中幸太朗)と普通の夫婦として家族を築きたかったと思います。ですが、大阪という街への思いの強さから寂しさを背負ってしまった女性です。でも、洋一が殺されたことで出会った番場(十三)刑事(大杉漣)に、救われたのではないかな? と、思います。」
厚子を演じる上で考えられたことは?
「幸せな夫婦生活と大阪への厚子の思いがつのるシーンなど、ドラマの後半にかけて大阪の街をめぐることで厚子が様々なことを感じたり、気づいたりします。ですので、後半の厚子を演じるシーンは特に注意深く演じました。」
番場刑事役の大杉さんとは?
「大杉さんとは朝ドラ『ゲゲゲの女房』で父娘を演じさせて頂いていますので、今回もご一緒出来るのを楽しみにしていました。まだどこか"お父さん"みたいな感じ(笑)。でも、大杉さんが引っ張って下さるので、すぐに今回のキャラクターの関係を作ることが出来ました。厚子は、最初は番場を敬遠しています。でも、自分の経験を話す番場刑事に、次第に心を解かされていくんです。そんな番場刑事の優しさを大杉さんが演じられることで伝わってきますので、厚子の気持ちも作りやすくなりました。」
東野圭吾作品の魅力は、どこに感じますか?
「東野さんの作品は、読めば読むほど惹き込まれていきますよね。また、作品に登場する女性たちが、とても魅力的に書かれています。そして、ストーリーを追っていると自然に映像が浮かんで来るので、読む人間の想像をかきたてるんだと思います。本を読むのと、実際に役を演じるのとでは少し違う面もあるのですが、私は東野さんの作品は大好きです。」
今回は1話完結ということで撮影期間も短かったですね。
「はい。とても凝縮された時間で、良い時間を過ごさせて頂きました。」
撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
「出演者が少ないストーリーなのですが、大杉さんやスタッフの方もご一緒したことがある方たちが多かったので、現場はリラックスした雰囲気でした。大阪の街も楽しませて頂いて、撮影の合間には大阪の名物を食べたり、ビリケンさんの写真をたくさん撮ったりしていました(笑)。」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願い致します。
「『エンドレス・ナイト』は、ほんの数日間のお話。その中で、厚子が変わって行く様子を見て頂きたいです。厚子自身が"生きよう"とするがゆえに、掛け違えてしまったボタン…なぜ、大阪が嫌いなのか? 厚子だけでなく、番場刑事初め、登場人物たちみんなが"生きよう"とする姿を楽しんで頂けたら嬉しいです。」
番場はどのような人物だと思われますか?
「今回のドラマは大阪が舞台になっています。僕は母親が京都出身で、僕自身も徳島産まれなので馴染みのある場所です。ただ、今までに刑事を演じた事は何度もあるのですが、大阪弁の刑事は僕にとって初めての役なので新鮮に感じました。大阪が持つ独特の世界観が面白いので、番場に大阪弁を話させる事で、キャラクターに幅が出ているのではないかと思います。」
番場は過去に重い出来事を背負っています。
「厚子(松下奈緒)にその出来事を語るシーンもありますけど、番場の口調はサラッとしています。実際に番場が経験したのは、かなり重い事です。でも、表面的にサラッとしている方が、番場の大人な落ち着きが表現出来ると思って…演技的な兼ね合いは監督と相談しました。話口調とともに、人物の背景がしっかりとあることも、番場を演じる上ではとても面白かったですね。」
松下さんとは2度目の共演ですね。
「はい。朝ドラ『ゲゲゲの女房』でご一緒した時も"輝いている女優さんだな"と思いました。ですが、その後、何本かの作品に出演されてから、こうしてお会いしたら、さらに輝きを増して、ひとつふたつ大きくなられたと感じます。松下さんの持ってらっしゃる存在感が増していらっしゃいました。現場スタッフや共演者への気配り、目配りも細かく持っていらっしゃる方ので安心してご一緒できます。芝居も相談しながら…お互いに掛け値無く、フランクにお話出来るのも嬉しいですね。」
松下さんが演じる厚子は?
「彼女、兵庫県出身なのに厚子のセリフでは"大阪嫌い"なんて、大胆なことを言っていますよね(笑)。厚子にはそれだけ大きな大阪への思いがあって、クライマックスでその理由が語られます。そのシーンでは、本当にリアリティーある芝居を松下さんがなさっていますよ。このドラマの見どころです。厚子の気持ちが伝わって来るシーンになっていますので、みなさんにもぜひ楽しみにご覧頂きたいです。」
今回は約1週間という短い撮影期間でしたが…。
「あっと言う間でした。朝早くから夜遅くまでの撮影スケジュールなのでプライベートで大阪の街を巡るという分けにはいきませんでした。でも、通天閣のある新世界という独特の場所でも撮影をさせて頂いて、たくさんのエキストラのみなさんにもご協力して頂きました。その時、エキストラとして来て頂いた方なのか、通りがかりの地元の方なのか僕にはよく解らなくて(笑)。だけど、それがまたリアルな大阪な感じなんです。実際に"漣さん、何してんの?"と話して来られた方が、エキストラの方だと思ったら普通の方だったり(笑)。東京のロケとの雰囲気の違いが面白かったですね。地元の方に伺ったら、新世界でロケをするのはかなり大胆な事だと教えて頂きました。ですので、このシーンも見どころですね。」
東野圭吾作品の魅力は?
「僕は東野さんの原作作品には何本か出演させて頂いています。登場人物やストーリーの背景に社会的なメッセージが散りばめられているので、演じさせて頂いても本を読ませて頂いても大好きな作家さんです。特に、登場人物それぞれに特徴やクセを持たせているのが面白いですね。それも単なるストイックな部分だけでなく、ある種ユーモアを交えさせている部分もあって…。生意気かもしれませんけど、東野さんの作品には演じてみたい人物がたくさんいるんです。」
最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願い致します。
「毎週違う短編で違う役者さんたちが演じる今回の企画はとても面白いと思っています。ドラマ好きの若い方たちだけでなく、大人の方たちも楽しめるクオリティーの高い作品がそろっています。『エンドレス・ナイト』も魅力的な作品ですので、ぜひご覧下さい。」

第3話『エンドレス・ナイト』
河野圭太監督

「1本1時間という短い時間の中で"東野圭吾作品"をどう表現するのか? が、課題になったと思います。『エンドレス・ナイト』に関してはサスペンスよりも、松下奈緒さん演じる厚子の気持ちが軸になってきます。でも、映像でそこだけを掘り下げてしまうと、少し地味なイメージになってしまいますので台本の段階では原作に"映像として"のエッセンスを加えさせて頂きました。すると今度は、厚子の心情がおろそかになりかねない…という逆の矛盾が起きてしまいます。今回はそのバランスに気を使いました。

また、厚子の心情=思いが乗っかっている大阪をどう感じて頂くか? これが非常に難しかったです。単に大阪で撮影をしている…ということでは、厚子の気持ちには至りません。これをみなさんに、どう伝えるのか? どうしたら伝わるのだろうか? と、本当に考えました。ただ、そんな試行錯誤を重ねながらも、一番お見せしたいと考えていた松下さんと大杉さんのラストシーンは圧巻に仕上がっていると思います。東野さんが、なぜこの作品に『エンドレス・ナイト』というタイトルをつけたのか? その意味が、少しでもラストシーンで表現出来ていて、みなさんが見つけて下さったら嬉しいです。」

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エンドレス・ナイト
プロデューサーメッセージ

全編大阪ロケを敢行した『エンドレス・ナイト』、いかがでしたでしょうか? 河野監督の狙いであるラストの松下さんと大杉さんのシーンは圧巻だったと思います。ここで、極めて深読み系のお話をしたいと思います。原作を読んで映像化するときに脚本にこめたアイデアとしては、主人公の厚子の幻想が"いつから始まっているのか"という部分があります。視聴者のみなさんから"いかにもな大阪描写が多い"というご指摘がありましたが、そこは狙いでもあります。人は忌み嫌う場所に足を踏み入れた時、嫌なところがことさら強調されて目に映るものです。

厚子視点で描かれた本作品でも彼女の目に映るものとして"いかにもな大阪"的なシーンが多数出てきます。よく見てみていただくと、大杉さん演じる番場刑事が目を離している時に、厚子が"いかにもな大阪"的な場面に出くわしているのがお分かりになると思います。彼女が大阪に着いた時、すでに彼女の"幻想へのフラグ"が立ち始めている…。本当に深読みな話で申し訳ないのですが、そのような意味でも厚子の尋常ならざる心理が細やかに描かれた作品だと思います。

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