■□□□ - 今回の「フェアな殺人者」は、最後の「古畑」の 1 本ということになりますが、撮影を終えられてのご感想は?

 
最後の最後に、こういったお話をいただけて…。いままでは、現場にいらした古畑さんを迎える役というか、ホントにワンシーン、ツーシーンだけの出演だったんですが、今回はドバっと ( 笑 )。いやあ、恐れ入りました。第 1 夜の石坂浩二さんと藤原竜也くんの回で、ワンシーンだけあって、古畑さんに「警察、辞めます」って報告を満面の笑みでしたばっかりなのに、こんな裏があるとは ( 笑 )。「イチロー選手のお兄ちゃんかよ!腹違い、っていえば成立すんのかよ!?」みたいな ( 笑 )。でも、野球少年だったので、夢のようですよ。いまメジャーリーグで活躍する世界のイチローの“お兄ちゃん”ですからね。すべて終わって、先ほど田村正和さんから花束をいただいたばかりなので、いまはまだ興奮しているから実感は沸かないんですけど、何日かしたら、「もうやれないんだな…」って思うのかもしれないですね。いまはただ、田村さん、三谷幸喜さん、石原隆さん、関口静夫さん、河野圭太監督…すべてのスタッフ、キャストに感謝ですね。それから、忘れちゃいけないのは、ずっとこのドラマを見てくれた人たちですね。もしかしたら、「いまは“向島”なのかよ、“東国原”なのかよ!?」ってツッコまれるくらい、やっている我々よりも詳しい人もいると思いますけど、そういう人たちに支えられてきたわけですから…

■□□□ - イチローさんも紛れもなくそのおひとりですからね。
 
ビックリでした。もう忘れてることを聞かれたりして…。「今泉慎太郎」もご覧になっていて、「あのときは本物の酢だったんですか?」とか ( 笑 )。僕は、そんなシーン、もう覚えてなかったのに ( 笑 )。そういう方と最後、一緒に出来たっていうのは嬉しいですね。「向島さんが私服になった回って少ないですけど、風間杜夫さんの回で一番面白かったセリフは…」ってすぐ出てきますからね。初ドラマとは思えないですよね、あんなに堂々たる演技で。嫌になっちゃいますよ ( 笑 )。やっぱり、一流の人は違うな、と思いました。

■□□□ - その辺は、共演されてお感じになりましたか?
 
はい。「やり辛いところはありませんか?」って凄く気を遣ってくれて、凄く謙虚で…。




■□□□ - 考えてみると、向島さんも変わったキャラクターでしたよね? 
 
ホントですよね。カミさんは内田有紀似のチーマーですからね ( 笑 )。ベルサイユ宮殿のような屋敷に住んでる、とか ( 笑 )。で、次がプエルトリカン?とにかく、いきなり「嘘でしょ?」って感じでくるから…。もうこれで、万が一新しい「古畑」が作られるとしても、向島は戻れないですけど…。

■□□□ - 顔合わせのときにJRの事故で遅刻されましたよね。イチローさんは「あれで随分、気が楽になった」と…。
 
イチローさんが? もう、ホントに間が悪いっていうか…。凄い事故だったんですよね。で、その後、しばらく復旧しなかったのに、あの日、遅れたのは僕ひとりなんですよ ( 笑 )。待たしているのは、田村正和さん、イチローさん…。よりによってこの回でしょ?初めてゲスト側の席 ( 通常は田村さん、西村雅彦さんらと同じサイド ) だったのに…。いろいろスピーチも出来たんだろうに、もう遅れて行ったことで、すべてパーですよね ( 笑 )。田村さんに「どうしたの?」って聞かれて、「電車が遅れて…」って言い訳したら、「…間が悪い」って ( 笑 )。別に僕のせいじゃないんだけど、「間が悪い星の下に生まれた」みたいなことを関口 ( 静夫プロデューサー ) さんにも言われ…。でも、そのときに、イチローさんが「兄貴!」ってケツ叩いてくれて救われました。ホントにいいヤツですよね ( 笑 )。




■□□□ - 10年以上に渡って、正和さんと一緒にやってこられたわけですけど、小林さんから見た田村正和さんとは?
 
田村さんは…いままでいろんな仕事させてもらったなかで、間違いなく、唯一のスターですよね。類まれなる演技者であり、アドリブ的な雰囲気作りも上手いし…。田村さんの真似は出来ないですよね。ご自分でも「私はテレビの人間だ」っておっしゃいますけど、まさにテレビのスターですよ。唯一無二の存在ですね。

■□□□ - 特に印象に残っているエピソードは?
 
まず初対面が、確か古手川祐子さんの回だったと思うんです。それもロケで…。12 月の終わりごろだったと思います。お巡りさんの格好をして、コートを着て、エレベーターホールかどこかで風を避けていたら、田村さんが黒いコートに両手を突っ込んでいらしたんで、「お早うございます!」って挨拶したら、「…おはよ」って。そこから始まってますからね。あれで、向島の役作りが決まったと思います。古畑さんが大好き、っていう ( 笑 )。もうそれだけですよ。田村さんが現場に入っていらっしゃると、現場の空気がピーンと張り詰めるんですよね。田村さんがいらっしゃらない現場は、スタッフも大分緩いですよ ( 笑 )。「こんなに違うの?」みたいな ( 笑 )。ごく初期のころですけど、何とか田村さんとお話したいな、と思って、セリフとちったりすると、「いま、セリフをとちってしまってすいませんでした」っていちいち言いに行ったりしてました ( 笑 )。劇団にお酒をいただいたときも「よし!これをきっかけに」と思って、「お酒、ありがとうございました」って言いに行ったり ( 笑 )。田村さんは「…いえ」とかしかおっしゃらないんですけど、「よし、これでまた話せだぞ」ってね ( 笑 )。で、今回の顔合わせのときは「間が悪い」って言われて…。間が悪い、って言われた役者は僕だけでしょうね ( 笑 )。これもいい思い出にします ( 笑 )。




■□□□ - 最後に、オンエアを楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いできますか?
 
僕も早く見たいと思っている作品です。恥ずかしいから絶対ひとりで見ますけど ( 笑 )。今回で終わりですけど…まだあるかもしれないですけど…忘れないでね ( 笑 )。


 

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