10月4日(日)、都内のホテルにてフジテレビ開局50周年記念ドラマ『不毛地帯』の制作発表会見が行われました。出席者は、主人公の壹岐正を演じる唐沢寿明さんをはじめ、阿部サダヲさん、天海祐希さん、遠藤憲一さん、小雪さん、竹野内豊さん、橋爪功さん、原田芳雄さん、柳葉敏郎さん、和久井映見さんという豪華キャスト陣と、脚本を手がける橋部敦子さん、澤田鎌作ディレクター、平野眞ディレクター、水田成英ディレクター、長部聡介プロデューサー、清水一幸プロデューサーです。PC版オフィシャルサイトでは、この制作発表会見のもようを動画でも配信する予定ですが、それに先がけて、キャストのみなさんのコメントをご紹介します。
壹岐正役・唐沢寿明さん
山崎豊子さんの作品はこれで2本目ですが、原作の面白さを損なわないように、頑張って最後までやりきりたいと思います。原作を最初に読んだ時は、とにかく面白いということと、シベリアのシチュエーションに驚くというか、とてつもない衝撃を受けました。そういう衝撃は、頭から最後の最後までこの作品にはあります。そういう作品に出ることができて本当に嬉しいです。
壹岐という男は何を考えているかあまりよくわからない役なんです。それは表面的によくわからないということではなくて、ドラマを頭から最後まで観ていただけると、「あ、なるほど、こういうことを考えてたんだ」「こういうひとつのことを貫くためにこうやって生きていたんだ」とわかると思います。家族であったり会社であったり、いろんな人たちとの関わりによって、原作よりも感情の幅を出そうと思っています。
田原秀雄役・阿部サダヲさん
今日はジャーナリストの方々がいらっしゃるので、勉強して帰りたいと思っています。1話の台本を読んでの印象は…まずキャストの方が凄い方々がいらっしゃるなと思いました。そして、「僕は出てないんだなあ・・・」と思いました。1話は登場しないので(笑)。
役を演じてみて、僕は政治記者の役で、初日のシーンが記者会見のシーンだったのですが、かっこいい記者を目指していたので、相手の目を見ながらメモを取るという演技をしていたのですが、今日、皆さんを見ると、下を向いてメモを取っているのですね。ひとつ間違えてしまったな・・・といま反省しています(笑)。
浜中紅子役・天海祐希さん
素晴らしい共演者のみなさんとお芝居をさせていただけることがいまとても楽しみで、本当に幸せな気持ちです。浜中紅子という女性を、生き生きと演じられればいいなと思っています。この時代、男性だけじゃなくて女性も戦っていて、その中で、ちょっとその当時少なかったタイプの女性だとは思いますが、そんな紅子をしっかりと力強く演じたいです。台本を読んだときの印象は…私も原作をこつこつと読んでおりましたので、原作のおもしろさ、衝撃、力強さ、そういったものが本当に凝縮されていて素晴らしいなと思いました。そして、この世界に自分が入れることにとても興奮しましたし、わくわくしました。
1話では、“ピアノの弾き語りをしている”と書いてあって、「ピアノ弾けないのにどうしよう…」と思ったのが第一印象でした。で、ピアノをものすごく一生懸命練習して…多分あまり映って無いかもしれませんが(笑)、1話でちょこっとピアノを弾かせていただいております。そこが終わったので、羽を広げながら頑張りたいと思います。
鮫島辰三役・遠藤憲一さん
2クールのドラマは初めてです。3月まで20本も放送しますので、初回から視聴率が悪いと凄くテンションが下がりますので、記者の皆様に宣伝していただいて、視聴率の高いドラマになればいいなと思っています(笑)。鮫島という男は、唐沢くん演じる壹岐にライバル心を持っていたり、コンプレックスを持っている男なんですけど、商社マンとしてはもの凄く丁寧な言葉だったり、専門用語とかを言ったりするので、初めは、読みながらでも口が回らなくて、「これはちゃんと練習しなきゃダメだな」と思って取り組んでいます。
壹岐は淡々と生きる商社マンで、唐沢くんは日頃、淡々と過激なギャグを言っているところが近いんですかね(笑)。唐沢くんは不思議な雰囲気を持っていると思います。普段はさわやかな青年で、さまざまないい作品と出会い、舞台やドラマで存在感を出しています。壹岐と唐沢くんは内面に持っているものが近いのかもしれません。
秋津千里役・小雪さん
2クールのドラマも、このような大作をやらせていただくのも初めてです。原作を読ませていただいたときの作品としての重厚感ですとか、抑圧された時代に一生懸命生きてきた人たちを、丁寧に演じていけたらいいなと思います。原作ファンの方にも初めて見てくださる方にも、楽しんでいただける要素がたくさんあるので、ぜひ周りの方にも勧めていただいて、ひとりでも多くの皆さんに見ていただけたらうれしいと思います。
いまの女性たちは普通に社会に出て働くことが当たり前になっていますが、私の演じる役は、一女性として社会に出て行く職業女性です。陶芸家として世に出て行くというのも難しいパターンですし、私は陶芸をやったことがなかったので、実際土に触れて陶芸家として見えるようになるまで、時間がない中で、どんな風に職業女性として一生懸命生きている姿を出せるか非常に悩みました。いまでも土に触れることで何か答えが出てくるものなのかと、役と同じような悩みを抱えながら、また、楽しみながら演じさせていただいています。
兵頭信一良役・竹野内豊さん
これだけのキャストの中、そしてこれだけの大きなプロジェクトに参加させていただくことができて、大変光栄に思っています。半年間という非常に長丁場になりますが、最後までやり抜きたいと思っています。台本を読んで、緻密な取材のもとに描かれた描写のひとつひとつが自然に頭の中に浮かんできて、本当に凄い作品だなと思いました。僕自身はまだたったの2日しか撮影はしていないのですが、この脚本の世界観を崩さないように演じていこうと思いました。
壹岐さんは自分自身の利益や出世に関係なく、会社のことや国のことを考えて動くことができる人物だと思います。部下に対しても、ある程度自由にやらせて、何かあった時は矢面に立ってくれる(壹岐正のような)存在はなかなかいないと思います。実際、唐沢さん自身も座長として何かあったときは真っ正面から、矢面に立って下さる方だと思ってます。僕自身も、そういう背中を見て、いろいろと勉強させていただけたらと思っています。

谷川正治役・橋爪功さん
このドラマには、時代の流れという大きなうねりの中で生きて苦労し、悩む人がたくさん登場するので、私はもちろんですけど、俳優諸氏も相当苦労するんじゃないかなって。いい意味で、その苦労を楽しめるんじゃないかという気がします。苦労しているそれぞれの俳優さんの顔が、画面上でその時代に生きた人たちの苦労と重なって、とてもいい作品になるのではないかと期待しています。
終戦時、僕は幼児でしたが、戦争が終わった時、そこで人生も終わってしまった人も沢山いるんですよね。友人の父で、何かにつけて酔っぱらうと写真を見ながら、『こいつも死んだ、あいつも死んだ』と、酔うとそのことしかおっしゃらない方がいたんです。戦争で人生も終わったのに、でも生かされている。壹岐も、谷川正治も、ある意味、戦争で個人としての人生は終わった人たちだと思います。谷川が遺骨収集に残りの人生を捧げる一方、壹岐は、谷川に『生きて証人になれ』と言われたことがひとつ呪縛となり、『とにかく生き続けなきゃいけない』と思い、谷川と違ってどんどん新しいところへと進んでいくことになります。しかし、やはり壹岐が生きていく上では、戦争というとてつもなく大きなものに巻き込まれた人間の、計り知れない苦痛や苦難があったと思います。もちろん、いまの人間にだって誰にも苦難はあるわけですから、そういう意味で、壹岐が生き続けていく健気な姿は、見ている方の心にきっと通じると思います。

大門一三役・原田芳雄さん
近畿商事社長の大門でございます。ナニワの小さな繊維問屋から総合商社にのし上がっていくこの男を演じるにあたって、ひとつ現場で今難しいなあと思っているのは、この男は関西弁で物事を考えている、ということ。僕は1940年生まれなので、僕が5、6歳のときにこのドラマが始まっている。で、僕が高校のときくらいからもの凄い工業化が始まって、僕も工業高校出身なものですから、就職率ももの凄くて…。僕も銀座の商社で1年半くらいのサラリーマン経験があります。そのときは年功序列、終身雇用ですから、僕は週に2回は休んでいましたし、部長より遅く出勤するようなひどい社員だったんですけど、クビにできないんですね。
そういう、昭和の日本型の企業から出発していて、その中にこの大門という男もいる。合理主義というか能力主義がなくギスギスしていなかった時代ということがありますけど、それが後々、この大門のある種の弱点となって国際化の中で孤立していく。年越しあたりにちょうど唐沢くんとの対立が起こってくるんですけど、それを非常に楽しみにしております。唐沢くんという役者さんがいるので、何があっても心配ないと思っているので、僕は思いっきり現場で遊ばせてもらおうと思っています。

川又伊佐雄役・柳葉敏郎さん
唐沢くんとは何本かお仕事をご一緒させていただいていて、尊敬する役者さんのひとりです。唐沢くんが主役をやるというので、何かお手伝いできることがあればとかけつけました。そして、このメンバーの中に入れてもらったことをものすごく幸せに感じています。唐沢くんというキャプテンがいる限り、このチームは最高になると思います。
僕がやらせていただく川又という役は、唐沢くん演じる壹岐という男とは陸軍士官学校時代からの同期であり、そして無二の親友であり、お互いそれぞれの正義感をもって生きているわけですが、川又は、戦争をしないさせない、国民の皆さんに理解していただける自衛隊を作っていきたいということを理想に生きていく男です。この作品は、日本が大きく変わる礎になっているお話だと思います。日本が成長していく中での、その裏側の非常に細かい、おもしろいところが描かれていましたので、日本人として、疑似体験とはいえそれが体験できるんだな、と思い、そしてまた、いい加減に表現してはいけない、というような、ちょっとした責任感も持ちながらやらなきゃいけないと思いました。
官房長官と戦ってみたりとか、親友の壹岐くんと男の正義感みたいな話をじっくりしてみたりとか、普段、柳葉敏郎の生活にはありえない空間を演じさせてもらっています。みなさんのお力のおかげで、自分の中では納得いく川又を演じていけると思います。
壹岐佳子役・和久井映見さん
唐沢さんとは約15年ぶりに仕事をご一緒させていただきます。現場で「お前ちゃんとやれよ!」と言われないように一生懸命ついていこうと思います(笑)。大人の人たちがたくさん出てくる大人の世界のドラマの中で、ちゃんと昭和の大人の女性として存在できるように頑張ろうと思います。私は夫を11年待つ妻の役です。私は昭和45年生まれなので、その少し前の話になりますが、いまこの社会の中にこういう作品が映像として描かれることが、きっとものすごく大切なことだと感じながら台本を読みました。
大きな子どもたちの母親でもあるのですが、ふと側にいらっしゃる唐沢さんを見たとき、とてもスッとしてらして…。役作りのために体も細く顔も小さくなってらして、とてもスッとしている唐沢さんを見るにつけ、私がおばちゃん臭くなってはいけないなと気持ちが引き締まる思いでおります。
脚本家・橋部敦子さん
脚本を書く作業は苦しいながらも、山崎ワールドにどっぷり浸り大変幸せな時間を過ごさせていただいています。視聴者の皆様にも半年間山崎ワールドにどっぷりつかっていただきたいと思います。原作ファンの方にも、まだ原作をご覧になっていない方にも、楽しんでいただけるドラマになると思います。
※主演以外は五十音順