その一方で、壹岐たちは、
紅子(天海祐希)の夫で、インドネシア華僑の実力者でもある
黄乾臣(石橋蓮司)から、1万トン級の戦標船5隻を至急手配してほしいと依頼されていた。戦標船とは、第二次大戦時に建造された米・英の戦時標準船のことで、その多くは廃船になっているものの、中には貨物船として売買されて運航しているものもあった。壹岐は、近畿商事が東南アジア貿易を展開していく上で、重要な拠点となるインドネシアを押さえるためには黄の力が必要だと船舶部部長の峯(大高洋夫)に訴え、戦標船の手配を急がせようとした。しかし、業務本部のやり方に反発する峯は、中東戦争に関する壹岐たちの分析をも疑問視し、大型タンカーの発注を見直すとともに、戦標船の手配も拒む。
するとそこに、戦標船の件は目途が立ったという黄からの電話が入る。情報を聞きつけた東京商事の
鮫島辰三(遠藤憲一)が、黄の出した条件に見合う戦標船を手配していたのだ。それを知った壹岐は、副社長の
里井達也(岸部一徳)に直訴し、1隻40万ドルを切る戦標船を手配できれば決裁するという約束を取り付ける。
兵頭が黄の説得に向かっている間、壹岐は、イスラエルに強いパイプを持つ日東交易の社長・
安蒜公一(団時朗)を再び訪ね、戦標船の手配を依頼する。それに対して安蒜が出した条件は、日東交易が手がけているイスラエル・オレンジの輸入を、今後3年間、近畿商事が引き受ける、というものだった。
安蒜の力添えで、戦標船を1隻35万ドルで入手できるルートを確保した壹岐たちは、食品部部長の山本(岸博之)にイスラエル・オレンジの件を、峯には黄との取り引きを進めるよう依頼した。