フジテレビ開局50周年記念ドラマ 不毛地帯

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インタビュー#06 海部要役 梶原善さん
まず、撮影現場の印象からお願いします。
僕にとっては、ですけど、商社という日常的なことではない世界の話で、セリフのひとつひとつにも重みがあるので、そういう意味では普段よりは緊張感があり過ぎて(笑)。時代的には、僕がまだ子どもで、それこそ自分たちの父親が頑張っていたころの話ですよね。そういう意味でいうと、この作品に参加できたことは光栄ですし、役者としてチャンスを与えてもらっているという思いはあります。
今回の海部要という役柄を演じるにあたって、ご自身で事前に考えたこと、
あるいは監督とディスカッションしたことは?
いまの話の関連でいうと、自分が子どものころの大人たちの姿とか、かつて自分が見ていた、大先輩たちのドラマの感じを思い出したりとか…。そういうイメージ的なものは大事にしていこうとは思いました。ただ、監督はそんなにディスカッションはしていないですね。
現代劇ではありませんが、かといって時代劇ではない、という作品でもありますが、
そういう意味での苦労や感覚の違いのようなものはありますか?
まあ、ある意味時代劇ですよね(笑)。テーマとか、山崎豊子さんの書かれた原作の重厚さとか、そういうものに押しつぶされそうになるので、そこは上手いことCGなんかで押し上げてもらいたいな、とは思っていますけどね(笑)。確かに、完成した絵を見てみないとわからないこともあるんですけど、だからといって、やることにはあまり変わりはないんですけどね、もらったセリフを相手に対して言う、という意味では。
壹岐(唐沢寿明)さんと海部さんの関係性は、何ともいえないくらい良いですよね。
信頼関係があって…。
壹岐さん=唐沢さんに対しての尊敬の念というか…唐沢さんは、役者としてあれだけ大変な役を背負っているわけですよね。ドラマの中の海部という男は小さいものなんだけど(笑)、それでもやっぱり僕もプレッシャーというのは感じているんです。だから、唐沢さんに対するそういう尊敬の念が、壹岐さんに対する海部という男を演じるにあたってプラスにはなっていると思いますよ。
それにしても、千代田自動車編はスリリングな展開ですよね。
見ている人からは、「ちゃんといろんな状況を見ていなさいよ!」「しっかりしなさいよ!」って怒られちゃうかもしれないですけど(笑)。大変なんですよね、人間関係って(笑)。敵対する人たちの役回りがしっかりしていて、結果的に“良い人は損する”みたいな部分がどうしてもあったりするので、きっと見ている人も悔しいんじゃないかな?
駆け引きも、真っ当な手段ばかりじゃないわけで…。
でも、真っ当な人は真っ当な手段しかできないんですよね(笑)。
先ほどもお話がありましたけど、この現場での唐沢寿明さんの印象は?
悲しいことに、みんなセリフが凄く大変なので…。まあ、僕は大変のうちに入らないんですけど、それでも噛んじゃったりして失敗したりするんですよ(笑)。だから、前室(=スタジオ前の準備室)で無駄口を叩いているヒマはないんですよね。だから、“無駄口の帝王”みたいな唐沢さんも口数少ないし(笑)。一度誰かが失敗したりすると連鎖反応が起こったりもするので、僕らも必死になっていますからね。
唐沢さんも、「原田芳雄さんや岸部一徳さんたちが全部セリフを入れてきているから、
自分がミスをするわけにはいかない」というようなことをおっしゃっていました。
そうですよね。僕は大門社長とは絡むことはないと思うんですけど、一度だけ、里井副社長と一緒のシーンがあって、そこは岸部さんの長いセリフがあったんです。そういうお芝居を間近で見ることができる、っていうのは役者にとっては嬉しい限りなんですけどね。セリフの内容は当然仕事のことで、笑えたり泣けたりするようなものでもなんでもないわけですけど、そこにいろんな味をつけて…。流石だと思いました。
この作品は、昭和という激動の時代が舞台になっています。
梶原さんにとって昭和のイメージとは?
やっぱり、小さい頃に見ていた風景でしょうね。外に出たら、道路は舗装されていなくて、その前に流れているのはドブ川で…。家は岡山の水島というところだったんですけど、デカいトラックがガラガラ走っていて、大気汚染も酷かったりしてね。テレビだって白黒かまだないか、っていう感じでしたからね(笑)。ローテクな時代…当時としてはハイテクだったんだろうけど、まだそれがかなり不完全な時代でしたからね。みんな、頑張ってたんですよね。いまは、携帯電話とか家電の変化とか、凄いですもんね。モノがどうにかなっていくスピード感とかは平成の方が凄いじゃないですか。昭和は、そういうスピード感が緩やかな時代ですよね。明らかに大人の人もいまとは全然違ったし…。家のお父ちゃんなんて、いつも仁丹の匂いがしてましたよ(笑)。僕にとっては、あれが大人の匂いでしたね。あとポマードの匂い(笑)。変わらないのは…やっぱり日本人は本当にアイドルが好きなんだ、っていうことくらいですね。AKB48を見ていて、そう思いました(笑)。僕にとっては、ああいうものも昭和の名残りのひとつのように思えるんですけど…。
面白い時代だったのかもしれませんね。
僕が22歳のときに平成になったから…。まだ22歳なんて、何にもわかってなくて大人じゃないじゃないですか。だから、昭和をかじってる、っていうだけなんでしょうけどね。
最後に、視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。
年配の方のファンが結構いらっしゃって…。普段、何にも言わない隣の家の大家がね、「出てらっしゃいますよね?何だっけ、あの…あの…」って(笑)。僕らが子どものころって、テレビを見られるだけで嬉しかったから、大人が見る番組も結構見ていたんですよね。いまは、そういう選択肢が凄くたくさんあるけど、「ちょっと見てごらんよ」って言いたいですね、若い人たちに(笑)。僕だって、この役をやるまで日本の商社の人たちがどんなことをやってたのかなんて知らなかったんですよ。まあ、このドラマですべてがわかるわけじゃないけど、日本にはこういう時代があって、こういう仕事をしていた人がいたってことぐらい、子どものころに知っておいた方がいいですよね。あまりにも僕らは知らなかったから(笑)。
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