俳優、歌手として幅広い層から人気がある
小池徹平がテレビドラマ初主演となるスペシャルドラマ
『クリスマス特別企画 まだ見ぬ父へ〜全盲のテノール歌手・新垣勉の軌跡』が
2007年12月21日(金)の金曜プレステージ<21時〜22時52分枠>で、いよいよ放送される。
小池徹平は全盲の
テノール歌手、新垣勉の14歳から約30年の半生を演じた。今年の夏、新垣勉の出身地である沖縄などでドラマのロケが行われた。
小池徹平は実在する全盲のテノール歌手の中学時代から42歳まで約30年を演じ分けるという、ハードルの高い役柄に挑戦した。
真夏の太陽が照りつける沖縄で、小池は
「新垣勉さんの役の話をいただいた時、初めはびっくりしました。全盲の方の役も初めてですし、これだけの年代の幅を演じるのも初めてですから。それぞれの年代をわかりやすく、気持ちを切り替えて、演じたいと思います。新垣勉さんという実在の人物を演じることにとても責任を感じています。新垣さんはいろいろな方と出会って、自分ではマイナスだと思っていたことをプラスに変えることができました。人との出会いによって、人間は成長していくんだということがこのドラマを見ている人に伝わればいいなと思います」と熱い抱負を語った。
「難易度の高い役で、ハードルの高い挑戦ですね」と話を向けると
「簡単ではないですね。自分は20年間、眼の見える世界に生きていますので、全く眼の見えない方の世界を100%演じることはできないと思いますが、できる限りのことをしたいなと思います。新垣さんと実際にお会いして、イメージを固めながら、手探りですが、全力でやらせていただいております。でも、力まないようにしています。堅くなると不自然になってしまいますので…」。難しい役にもあくまで自然体で、いい意味で楽しみながらチャレンジしているようだった。
小池はテノールについて知識もなく、これまで聞いたこともほとんどなかった。テノール初心者の小池はまずはテノールを聞くことから始めたという。
「最初はどこが難しいかすらわかりませんでしたし、発声の仕方も違いますから」と、とまどいを覚えた。新垣勉本人からテノールの発声や体の動かし方などを初歩から習い、全盲のテノール歌手・新垣勉という役柄を体にしみこませていったようだ。
小池は今回のドラマを
「役者として成長できる作品だと思いますし、一つの壁になる作品」だと位置づける。それだけ役者としてハードルの高いドラマだったのだろう。
「高い壁があればあるほど燃える性格なので、全部やり遂げたいなと思っています。演技でも音楽でも、今はいろんなことをたくさん吸収する“スポンジの季節”だと思います」と、その美しい瞳で意気込みを語る小池徹平が“新垣勉の人生の軌跡”をどう表現するか大いに期待したい。
共演は、母親として育てられたが実際は祖母の新垣かまど役に
いしだあゆみ、姉として接していたが実際は実の母親の新垣ツネコ役に
麻生祐未、勉の幼なじみの金城明弘役に
中尾明慶など。
【ドラマのあらすじ】
昭和27年、沖縄県読谷村で駐留中の米軍兵の父(メキシコ系アメリカ人)と日本人の母との間に新垣勉は生まれた。
しかし、生後間もなく人為的ミスで全盲となる。それが原因で勉が1歳の時に両親は離婚。父は母国に帰り、母も再婚したため、生活保護を受けながら母方の祖母に育てられる。祖母は自分を“母親”、実母を“姉”だと教えた。
何も知らない勉は盲学校に入り、いつも笑顔で明るく、歌が大好きな少年に成長していった。
やがて、失明の原因、かまどが母ではなく祖母だったこと、離れていった両親のことなど今まで隠された真実を知らされ、自分の運命を呪い、両親に強い憎しみを抱く。この頃から「人と違う」「自分ほど不幸な人間はいない」と考えるようになる。
そんな中学2年の時、育ててくれた祖母が突然、他界する。天涯孤独になり、自暴自棄になった勉は死を決意する。しかし、そんな絶望の淵から救ってくれたのが美しい歌やさまざまな人との出会いだった。
その後、点字で受験勉強をし、二つの大学に通う。副牧師になった後、彼の歌声を世界的なヴォイス・トレーナーが絶賛。それは皮肉にも、恨み続けていた父親から受け継いだ“ラテンの歌声”のお蔭だった。次第に父への憎しみは薄らぎ、逆に感謝の気持ちが湧いてくるようになる。
声楽の勉強を本格的にするため、34歳で武蔵野音楽大学に入学。同大学院(音楽修士号取得)を卒業。そんなテノール歌手への道が開かれ始めていた矢先、突然の病に倒れ、生死の境をさまよう。自分の死期が見えた時、「死にたくない! もっと生きていたい!」と叫んでいた。生きる希望がいつの間にか芽生えていたことに気づかされ、自分に苦行の道を歩ませた全ての人たちを許す気持ちになれた時には、もう40歳になっていた。
実母とも再会を果たし、生きる喜びを知った勉は、自分にしかできない「人と違っていい」人生を歩もうと決心する。
呼ばれればどこへでも行く。交通費や宿泊費を払ったら赤字になってしまう、小学校、老人ホーム、養護施設、小さな教会、戦地でも…。
<出演者のコメント>
☆新垣勉の祖母・かまど役 … いしだあゆみ
いつも撮影現場にあまり考えずに入る方なんですが、この作品でも台本を読んで、監督の演出に忠実にまじめに演じております。小池徹平君とは初共演ですが、すごく真面目で、清潔感があり、すてきですね。透明感のある役者さんで、新垣さんも小池さんが演じたことを喜んでられるんじゃないでしょうか。
沖縄は三回目ですが、仕事ばかりなので観光はあまりしたことないんですよ(苦笑)。
クリスマスドラマなので、多くの方に見ていただきたいです。
☆新垣勉の母・ツネコ役 … 麻生祐未
実際は母親なのにある時期まで姉として接するという複雑な役ですが、気持ち的には母親の気持ちで演じています。母親としてずっと拒絶されるので悲しいのですが、息子の勉には、さらに積み重なった悲しみがありますからね。
新垣さんの生き方を見ていると、人間にはそれぞれ与えられた使命があり、新垣さんはその運命が哀しい分、それだけより一層、生きるパワーになっているんだなと思いました。
小池徹平さんとは初共演ですが、新垣さんの役を一生懸命、生き生きと演じられていると思います。子供ながらどこか近寄りがたい天才の雰囲気もうまく出されていると思います。素顔の小池さんは信じられないぐらいいい人です。
このドラマは、自分のやりたいことを見つけて一生懸命、追求することの大切さに気づかされる、勇気をもらえるドラマだと思います。
☆新垣勉の幼なじみ・金城明弘役 … 中尾明慶
眼の不自由な新垣勉さんががんばっていく姿が、メッセージとしてすごくストレートに心に伝わるドラマだと思います。台本を読んで感動しました。明弘は勉の本当の友人だからこそ、勉が眼の見えないことをあまり気にしないし、勉に対して誰よりも普通に接していると思います。勉に思ったことを言うし、マイナス部分について意見できるのは明弘だからできるのかなと思います。
小池徹平さんとは連ドラで共演したこともあり、クランクインの前にメールをもらったりして、普段から何でも話せる関係です。眼の見えない役ですから、難しいし、大変だったと思います。苦労しているとは思いますが、小池さんはあまり苦労を見せないですね。小池さんは歌もお芝居も、トーク番組も幅広いジャンルで活躍しており、その中で、難しいお芝居に挑戦するモチベーションはすごいと思います。
沖縄は以前、無人島には行ったことがあるのですが、本島は初めてです。今回の沖縄ロケは暑かったですが、景色がいい中でお芝居ができ、気持ちよかったです。
ドラマを見た人が自分もがんばろうと思えるような、自分を高められる作品だと思いますので、真剣に見ていただきたいと思います。

フジテレビドラマ制作センター・喜多麗子プロデューサー
≪小池徹平を新垣勉役に起用した理由≫
とても美しく魅力的な小池さんが、どんな表現者になっていくのかとても興味があり、日頃からお仕事をしたいと思っていました。今回の作品で、実在する方の、自分とは全く異なる人生を体感しながら約30年間をどう演じ分けるのか、本作りをしながら楽しみにしていました。小池さんにとっては、今まで演じたことのない難しい作品になると思います。だからこそ、完成された大人になる前の小池さんに挑んでほしいと願いました。
≪ドラマの企画理由≫
長男誕生で両親は喜んでくれるはずだった。美しい沖縄の海を見て育つはずだった。しかし、彼は親の顔を知らない、海の青さも知らない。でも、神様は彼に才能を与えてくれた。美しい歌声を。天涯孤独の逆境を乗り越え、自分を救った音楽の素晴らしさを伝えるテノール歌手、新垣勉。そして、彼は今、自分を救った音楽の素晴らしさを伝え、沖縄出身者として平和のメッセージを発信し、荒廃する青少年の心に「オンリー・ワンの人生を大切に」と呼びかけるため、各地でリサイタルを行っている。どこにいるのか、生きているのかさえ分からない父に会える日を夢見て…。
2003年にフジコ・ヘミングさん、2005年に越路吹雪さんという音楽に携わってきた方の半生をドラマ化させていただきました。新垣勉さんの歌は聴かせていただいていましたが、穏やかな歌声からは想像もできない半生を知ったときはとても驚かされました。新垣氏は、生まれてすぐに“視力と親”を失いました。ドラマでは、貧困にあえぎながら運命に絶望し、天涯孤独になった氏がどのようにして逆境を乗り越え、想像を絶する日々の中から努力を重ね、夢に向うことができたのかを描きました。新垣氏は、自分の人生を受け入れることができるまで40年もかかりました。現在、行き場をなくした大人たちや、さまよう子供たちにも、痛みを抱えながら生きる新垣さんと同じように、いつかきっと“生きる糧”にたどり着けることができるのだと優しく背中を押す、そんな作品になっています。人はそれぞれ、人と違う輝きを持っているのだから自分にしかできない「人と違っていい」人生を歩もうというメッセージを添えて。
脚本は、病がもとで6年前に失明し、断筆宣言していたベテランの布勢博一氏。この作品がテレビドラマ復帰第一作となります。
鮮やかな沖縄ロケ、教会ロケの映像と美しい名曲が全編を彩ります。
♪花(すべての人の心に花を)
♪アヴェ・マリア
♪主の祈り
♪カロ・ミオ・ベン
♪マンマ
♪カタリカタリ
♪てぃんさぐぬ花 …など。