2017.8.8更新
「世界で山響だけ」音楽の感動を伝え続けたい…
第26回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
45年目の序曲~山形交響楽団の挑戦~
8月11日(金)27時55分~28時50分
県内唯一のプロ・オーケストラ「山形交響楽団」。演奏レベルの高さでは全国的にも定評があります。独自の取り組みも行いながら、山響だけの「音」を作り上げ、更なる高みを目指している「山形交響楽団」。ふるさと・山形で「音楽による感動」を伝え続けている山響の奮闘ぶりと、創立45年という節目を迎えた彼らのいまを追いました。
「音楽は心を育てるミルク」―
音楽は、いつの時代も私たちの心を癒したり感動させたりと、人生や生活を豊かにしてくれます。その音楽も今やスマートフォンで楽しめる時代…。今の時代、私たちにとってクラシック音楽のオーケストラ演奏に触れる機会は、日常あまり多いとは言えません。
そんな中、山形には「ふるさと山形にオーケストラを!」という情熱のもと創立された、県内唯一のプロ・オーケストラ「山形交響楽団」があります。創立45年を迎えた山形交響楽団は専門家の間でも評価が高く、今では演奏レベルの高さでは全国的にも定評がある楽団に成長。定期公演の集客力になっています。
モーツァルトやベートーベンの時代の音を再現しようと、当時に使われていたものと同じ「古楽器」を使った演奏は、山響の個性として注目を浴びています。17世紀以降、300年も発展を遂げてきた現代楽器とは音色そのものが違う古楽器。古い金管楽器の音は優しく温かみがあります。一方、弦楽器の奏者には難問が…。
指揮者の飯森範親と48人の楽団員は、いくつもの困難を乗り越え9年にも渡るある取り組みを行い、「世界で山響だけ」の音を作り上げてきました。こうした独自の取り組みにより、山響がオーケストラとして存在する価値・アイデンティティが生み出されたのです。「山響だけの音」を作り上げた今、山響は、更なる高みを目指しています。
また、県内各学校にオーケストラが出向いて行う「スクールコンサート」は、地域の音楽体験・教育の場として、創立当初の1972年から続き、これまでのべ300万人の子どもたちに生演奏の魅力を届けてきました。スクールコンサートで山響の音楽に胸を打たれて音楽の道に進み、山響の試験に合格した楽団員もいます。「県内の全ての子どもに本物の交響曲を聞かせたい!」という思いのもと無謀とも言われた活動でしたが、歴代の指揮者・楽団員はその使命を果たしてきました。しかし設立から45年、今、楽団は少子化という荒波に直面しています。
山響の経営は厳しい状況にあり、山形交響楽協会理事会は抜本的改革を決意。他県の楽団の再建に成功した西濱秀樹を専務理事に迎え、近年赤字体質からの脱却に向けてさまざまな取り組みを行っています。
番組では、ふるさと・山形で“音楽による感動”を伝え続けている山形交響楽団の奮闘ぶりと、創立45年という節目を迎えた彼らのいまを追いました。
コメント
ディレクター・斎藤康広(さくらんぼテレビ報道制作部)
「山形交響楽団というと、正直なところ、子どもの頃に聴いた音楽教室で演奏している“地元の小さな楽団”という印象しかありませんでした。しかし取材を進めてみると、創立から45年、子ども達に音楽を届ける“伝統”を引き継ぎながら、海外の著名な指揮者や演奏家からも評価を受ける実力を持った楽団に進化していました。都市部のオケの半分にも満たない規模で演奏を行わざるを得ない中、逆境を逆手に取り、古楽的なアプローチで“独自の音”を生み出すなど、演奏家としての向上心を持ちながら次世代に音楽を繋ごうとする姿勢は、地方都市の山形だからこそ生まれたのかも知れません。創立者の村川千秋さんが『演奏を聴いた子が親になるまで25年、さらにその子どもが大人になるまで25年。50年かけ親子二代が聴いてくれれば文化として根付く』と84歳になった今も目を輝かせて語る姿に、この楽団が持ち続ける熱意を感じました」
番組情報
- タイトル
- 第26回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
『45年目の序曲~山形交響楽団の挑戦~』 (制作:さくらんぼテレビ)
- 放送日時
- 8月11日(金)27時55分~28時50分
- スタッフ
-
- プロデューサー
- 木村奈緒美
- ディレクター
- 斎藤康広
- 構成
- 高橋修
- 撮影
- 鈴木相
高橋慎太郎
- 編集
- 長南亜希子
- 音効
- 角千明(ヴァルス)
- MA
- 市原貴広(ヴァルス)
- CG
- 佐藤哲哉
- ナレーション
- 坂口哲夫
- 制作著作
- さくらんぼテレビ
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。