FNSドキュメンタリー大賞

FNSドキュメンタリー大賞

2017.8.4更新

国境を越えて育む尊い命、つなぐ心と心

第26回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
ポカラにSAKURA~駒ヶ根とネパール いのちのかけはし~

8月5日(土)28時~28時55分

妊産婦や新生児の死亡率が高いネパール・ポカラ市で、長野県駒ヶ根市の市民団体「ネパール交流市民の会」は、JICA(国際協力機構)と連携し母子保健改善プロジェクトに取り組んでいます。ポカラのおかあさんが健康で元気な赤ちゃんを出産することを目的に開院した母子友好病院を拠点として、病院スタッフのスキルアップを図るトレーニングや、貧困などの理由で病院に来られない住民のためには、地域に出向いて安全な出産を訴えかけた健康教育などの活動を行っています。

番組では、ポカラのおかあさんや赤ちゃんのために奮闘するプロジェクトマネージャーの北原照美さんを中心に活動の様子を1年間追いました。プロジェクトを通じて、国境を越えて人々が交流やふれあうことの大切さを考えます。

ネパール第2の都市ポカラ市に「コマガネホスピタル」と親しまれている病院があります。ネパールでは妊産婦や新生児の死亡率が高く、その原因として妊娠期の健康に対する意識が低い、健診受診率が低いなど産前産後のケアが十分ではないことがあげられます。

ポカラと友好都市を結んでいる長野県駒ヶ根市の市民団体「ネパール交流市民の会」は、2008年から母子保健改善事業の取り組みを始め、医療機器や救急車の寄贈などの支援を続けてきました。

2013年には「コマガネホスピタル」を開院。しかし、患者にとっては市街地から遠い上に、診療代の負担が大きい、病院側も医師の確保が難しいなどの理由で、患者数の伸び悩みが深刻でした。

そこで、2015年、JICAと連携し、病院スタッフの人材育成や、出産に関する知識の普及を目的とした「草の根技術協力事業」に取り組み、「安全・安心な出産のための母子保健改善事業」のプロジェクトを進めています。

プロジェクトマネージャーの北原照美さんが中心となった、日本人スタッフとポカラの病院スタッフのチームは、安心な分娩と産前産後の妊婦のケア、医療技術者のスキルアップ、また貧困により病院に来られない住民のために、地域に出向いて劇を催すなど安全な出産の大切さを訴えかけてきました。

また北原さんは、プロジェクトを通じてポカラ市と駒ヶ根市民との交流を深めたいと熱い思いを抱いています。遠く海を越えた駒ヶ根市民もまた、ポカラのおかあさんが元気な赤ちゃんを産むために活動を続けています。

ポカラの地に種を撒き、どんな花を咲かせようとしているのでしょうか?北原さんの1年間の奮闘ぶりを追いました。

コメント

ディレクター・東澤鈴美(長野放送)

「ネパール第2の都市と呼ばれているポカラ市は、ヒマラヤ山脈と湖がある人気の観光地です。初めて訪れたポカラは、日本の昭和初期時代のイメージを思い浮かべました。現代の日本のように豊かでは物質的に豊かではありませんが、エネルギッシュで、人々が明るく、温かな優しさを感じる国民性に私もすっかり虜になりました。そんな国民性に惹かれてプロジェクトマネージャーを務める北原照美さんもまた、明るく笑顔がとびきり素敵な方です。
風習や文化が違う国で、健康なおかあさんから元気な赤ちゃんが産まれることを願って、奮闘する北原さんやプロジェクトのスタッフの皆さん。国民性や、生活事情により思うように進まないこともある中で、常に明るく笑顔でプロジェクトに取り組み、スタッフに意欲とやる気をもたらす北原さんの姿。そして、スタッフの熱意にポカラの住民も心を開いていく様子に感動を覚えました。
また、遠く海を越えた日本の駒ヶ根でもポカラの新しい命を守ろうと活動している市民の皆さんがいます。どこの国も子を思う気持ちは同じという気持ちに感動を覚えました。
ポカラの人々の心には、『駒ヶ根』が、そして駒ヶ根の人々には『ポカラ』が根付き始めています。世界では心を痛める悲惨な出来事が、日々、起こっています。しかし、お金や機器を支援するだけでなく、国境を越えてふれあい、協力し合い、そして、人と人との心の繋がりによって国民同士が絆を深くしていく姿を感じていただけたら幸いです」

番組情報

タイトル
第26回FNSドキュメンタリー大賞 ノミネート作品
『ポカラのSAKURA~駒ヶ根とネパール いのちのかけはし~』 (制作:長野放送)
放送日時
8月5日(土)28時~28時55分
スタッフ
ナレーター
和木ちえり
撮影・編集
吉川勝義
音効
マイサウンドカンパニー
ディレクター
東澤鈴美
構成・
プロデューサー
春原晴久
制作
長野放送

※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。