2017.10.15更新
“民意”、自分たちが住むまちの未来を考える
第26回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
一票のゆくえ
10月28日(土)27時10分~28時5分
2016年、政務活動費の不正受給が相次いで発覚した富山市議会。不正の総額は4000万円を超え、自民党会派12人、民進党系会派二人のあわせて14人の市議会議員が辞職に追い込まれました。
最初の不正発覚から8カ月が経った2017年4月。任期満了に伴う市議会議員選挙が行われました。選挙は定数38に対し58人が出馬。定数が20人を超えるのはおよそ50年ぶりです。かつてない不祥事を経て行われる選挙に、出馬する候補者も様々。
不正に怒り、出馬を決めた新人候補…。
不正による辞職議員のなかで唯一立候補した元議員…。
不祥事発覚も辞職しなかったベテラン議員…。
立候補者たちは何を考え選挙に挑むのでしょうか。
前代未聞の不祥事を経て選ばれた38人の市議会議員、新生富山市議会に、市民が託す“民意”とは…。“富山市のこれから”を決める選挙で有権者34万4585人の“一票のゆくえ”をみつめます。
2016年、富山県では三つの地方議会で政務活動費の不正が相次いで発覚しました。その中でも特に衝撃的だったのが、富山市議会でした。各報道機関の調査で、市議会議員の不正が次々と発覚し、連日のように議員が会見で頭を下げては辞職する事態が続きました。
これまでに発覚した不正の総額は4000万円を超え、14人が辞職しています。富山県民にとって前代未聞の政治スキャンダルだったはずです。
番組は富山市議会議員選挙に立候補したベテランや新人議員、それらを取り巻く人々の視点を借りて、リアルな地方議員の姿や市民との距離感を描くよう努めるとともに、市民から選ばれる立場にある議員が、逆に市民をどう見ているのかという視点も多く取り入れました。
地方議員に期待する役割は誰しも同じではありませんし、そもそもこれだけの不祥事があった後では、議員に期待をしていない人も少なくないと思います。そうした感情が過去最低の投票率につながったのかもしれません。
「意中の候補に投票する」「投票に行かない」も、有権者の一人一人の考えで、その結果が“市民の意思”=“民意”となります。
その“民意”は、自分たちが住むまちの未来に他ならないことを改めて考えてもらいたいと思います。
コメント
ディレクター・青嶋真広(富山テレビ報道制作部)
「富山市議会の政務活動費不正疑惑が浮上してまもなく、私の所属する報道制作部は特別チームを編成して大量の関係書類に目を通すなどし、結果、複数の議員の不正を見つけ出しました。そして、そうした一連の不正問題の背景を考察するなどした特別番組をこれまでに2本放送してきました。
“一票のゆくえ”は一連の問題発覚後に放送する3本目の番組作品ですが、それまでと大きく異なるのが“選挙”を舞台にしていることです。
前代未聞の不正で注目を集めた富山市議会に対し、市民の意思=民意が最も反映されるのが4年に1度の“選挙”で、議会と市民の距離が近くなるタイミングです。
議会の不正問題が発覚したことで、議会が変わるだけでなく、市民も議会との向き合い方を再考する契機になればと願っています」
番組情報
- タイトル
- 第26回FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品
『一票のゆくえ』(制作:富山テレビ)
- 放送日時
- 10月28日(土)27時10分~28時5分
- スタッフ
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- 制作統括
- 飯野宏之
- プロデューサー
- 堀田能州
- ディレクター
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- 青嶋真広
- 木村涼子
- 構成
- 鍵谷真二
- ナレーター
- 野田圭一
- 撮影
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- 佐野潤一
- 波房恵樹
- 山下敏治
- 重原千尋
- MA
- 葛誠司
- 取材
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- 柴田武志
- 多田惇一
- 美術
- 右近千代美
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。