イタリアの北西部に位置するトリノは人口約90万人のイタリア第4の都市で、1861年には近代イタリア統一後の最初の首都が置かれるなど、政治や文化の中心地のひとつでした。その中心部に位置するトリノ・エジプト博物館は、カイロ・エジプト博物館、ロンドン・大英博物館、パリ・ルーヴル美術館、ベルリン・エジプト博物館、ニューヨーク・メトロポリタン美術館などとともに、古代エジプトの重要な作品を見られる質・量ともに優れた博物館として知られています。コレクションの歴史は非常に古く、17世紀の前半にまで遡るといわれています。19世紀には、ナポレオンのエジプト遠征に従軍し、フランスのエジプト総領事となったベルナルディーノ・ドロヴェッティがエジプトで収集したコレクションが、サルデーニャ王国(イタリア王国の前身)に購入され、現在のトリノ・エジプト博物館の中核となりました。ドロヴェッティの収集品には、100体もの大型彫像や170点のパピルス文書など非常に貴重な作品が多数含まれています。また、同館館長も務めたアーネスト・スキアパレリらによるテーベ西岸の調査、特に新王国時代の王墓造営に携わった職人たちが生活していたディール・アル=マディーナ遺跡での発掘で、コレクションはさらに充実しました。この時加わった数多くのステラ(石碑)やピラミディオン(小ピラミッドの頂上部の石)、オストラコン(石灰岩の剥片(はくへん))、彫像、土器、道具類、衣装などは、当時の人々の信仰や生活を知る上で、非常に貴重なコレクションを形成しています。
日本初公開のエジプトコレクションです。
| 西暦紀元前 | 時代 | 王朝 |
|---|---|---|
| 3000年 | 初期王朝時代 | 第1〜17王朝 |
| 古王国時代 | ||
| 第1中間期 | ||
| 中王国時代 | ||
| 第2中間期 | ||
| 1550年 | 新王国時代 | 第18〜20王朝 |
| 1070年 | 第3中間期 | 第21〜25王朝 |
| 664年 | 末期王朝時代 | 第26〜31王朝 |
| 332年 | プトレマイオス時代 | |
| 30年 | ローマ支配時代 |
トリノ・エジプト博物館の魅力の一つは、その展示方法にもあります。
現地トリノでは、2006年のトリノ五輪に合わせ、美術監督ダンテ・フェレッティが大型彫像の並ぶ彫像ギャラリーの改装を手がけ、照明と鏡を駆使した印象的な空間に仕立て上げました。ダンテ・フェレッティは、「アビエイター」や「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」など主に映画の美術監督を務め、2度にわたって米アカデミー賞を受賞した美術監督です。
