参加アーティスト
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Shin-ichi Sakamoto
坂本眞一

展覧会に向けて
今回、僕がルーヴル美術館からの読切執筆の依頼にテーマとして選んだのは、『モナリザ』です。この謎に満ちた名画は、18世紀フランス革命の戦火の中、ひっそりとベルサイユ宮殿の片隅に飾られていました。断頭台の露と消えた王妃アントワネットとその家族達もこの絵を日々眺めていたことでしょう。
16世紀生まれの『モナ・リサ(貴婦人リサ)』の静かな瞳には動乱の時代がどう映っていたのか?そして偉大なる天才画家ダ・ヴィンチが瞳に込めた思いとは?
未だ争いの絶えない 21世紀を生きる僕なりに、その答えを導き出してみました。

略歴
1972年大阪府生まれ。『孤高の人』で「第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞」。2013年より『イノサン』を連載開始。『イノサン』は、2013年「第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品」、2014年「第18回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)読者賞」ノミネート、2015年「マンガ大賞2015」第7位にランクイン。現在、グランドジャンプ(集英社)で『イノサン』の新シリーズ『イノサンRougeルージュ』を連載中。

作品紹介
『王妃アントワネット、モナリザに逢う』(集英社)
テーマは「モナ・リザ」。16世紀ルネッサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチによるこの肖像画は、ルーヴル美術館に飾られている世界でもっとも著名な絵画。だが、その1枚の絵の歴史をご存知だろうか。「モナ・リザ」はこれまで多くの血が流れる歴史を目撃してきたのだ。 ダ・ヴィンチがフランスで死去した後、「モナ・リザ」は太陽王ルイ14世の手に渡り、18世紀にはヴェルサイユ宮殿に所蔵されていた。フランス革命の悲劇の女王マリー-アントワネットもきっと目にする機会に恵まれただろう。そして革命後には、皇帝ナポレオンは「モナ・リザ」の美しさを見抜き、寝室に飾っていたという。 人間の命は儚い。だが、生み出された芸術は永遠の命を得る。ダ・ヴィンチの魂が注がれたその名画は時代を超えて問いかけ続ける。“本質を見よ”と――。「モナ・リザ」はこれからも血の歴史を執行する「死神」を目のあたりにするのか。“見られている”のは我々なのかもしれない――。