参加アーティスト
▷
10/16
◁

Philippe Dupuy
フィリップ・デュピュイ(画)

Loo Hui Phang
ルー・ユイ・フォン(作)

展覧会に向けて
実はまだ日本には行ったことがない。
この展覧会とここに招待されたことはわたしにとって大きな名誉だ。同時に長い間夢見ていたことが実現できたという意味もある。ようやく日本に行けるのだ。その作家たち、画家たち、映画監督、アーティストと文化、わたしの想像を育んできたすべてがあるあの国に。

略歴(フィリップ・デュピュイ)
1960年、フランスのサント=アドレス生まれ。パリの国立高等装飾美術学校に入学後、雑誌・新聞にイラストやバンド・デシネを発表する。1983年にシャルル・ベルベリアンと出会い、以後、デュピュイ=ベルベリアン名義で作品を発表する。1985年、二人の最初の単行本『小さな画家 Petit Peintre』を刊行。1991年には代表作『ムッシュー・ジャン Monsieur Jean』(既刊7巻)を世に送り出す。広告の仕事も多く、日本ではJTBの広告を手がけている。2008年には二人揃って「アングレーム国際漫画フェスティバル」のグランプリを受賞するも、徐々に個別の仕事の割合が増えていく。ルーヴル美術館BDプロジェクト第10作『坑内掘りの芸術 L'Art du chevalement』は2013年刊。脚本を手がけたルー・ユイ・フォンとは『アメリカの選挙 Une Élection Américaine』(2006年)、『青白い子供たち Les Enfants Pâles』(2012年)に続く共作である。

作品紹介
『坑内掘りの芸術 L'Art du chevalement』
(画:フィリップ・デュピュイ、作:ルー・ユイ・フォン、未邦訳)
炭鉱夫のオルフェオが、10年に及ぶ炭鉱でのお勤めを終えた馬のピジョンを農家に預けようと、屋外に連れ出そうとしている。しかし、オルフェオとピジョンが竪坑櫓で地上に昇ると、彼らを待ち受けていたのは、見たこともない広大な敷地に建てられたモダンなガラス張りの建物だった。ピジョンを連れておずおずと建物の中に入るオルフェオに、古代の彫刻たちが語りかける。彫刻たちの語りに耳を傾けているうちに、オルフェオは、炭鉱とともにあった半生を思い出す。親友のデデと過ごした少年時代。イヴェットとの恋愛。デデとイヴェットの結婚。炭鉱内で起きたデデの事故死。古代エジプトの贅を凝らしたファラオの棺を目にしたオルフェオは、デデの粗末な棺桶を思い出し、芸術が表現するものと炭鉱夫の境涯の違いに悲しみを覚える。しかし、読者はやがて、過去と未来が交わるこの場所で、異なる世界に属する芸術と坑内掘りが意外な共通点で結ばれ、虐げられた人々の救いとなることを知ることになる。